HOME > 100を切るために必要な基本技術 > アドレスで最適なボールとの距離
ゴルフの初心者は、アドレスでボールとの距離〜どれだけ離れたらよいのか分からない、という人は多いです。実はこの悩み、ある程度経験を積んだゴルファーでも、自分は最適な距離でアドレスできているか?ベストな間隔で迷っている人も少なくありません。
アイアンは地面にピッタリとソールを付けてライ角通りに構えれば、概ね身長に見合った適切な距離にアドレスできます。しかしドライバーは飛び抜けてシャフトが長い=トゥダウン現象が大きいうえ、ティーアップしているのでソールせずに構える人も多いので、どの程度の間隔が最適なのか分かりづらいです。
そこで、週刊ゴルフダイジェスト(2015年10/20号)そのヒントになる興味深い資料が載っていたので、紹介したいと思います。アマチュアゴルファー10人とプロゴルファー10人(共に全て男性)のドライバーにおける、アドレス時のボールとの距離を測ったデータです。距離は、両足のつま先を結んだ線上から、ティーまでの間隔です。
同誌によると、アマチュアはプロと比べて平均3.5センチもボールとの距離が近いそうです。ゴルフボールの直径が約4センチなので、ほぼ一球分ほど近い訳ですね。
★データ詳細
アマチュア;平均身長172.0cm、ドライバーの長さ平均45.86インチ、ボールとの距離84.6cm
プロゴルファー;平均身長173.1cm、ドライバーの長さ平均44.93インチ、ボールとの距離88.1cm
プロゴルファーの方が平均身長が1センチほど高いですが、ドライバーの長さはアマチュアの方が0.9インチ(2.3センチ)ほど長いので、ほぼ同じ条件です。言うまでもなく、プロゴルファーの間隔は最適であり間違っている(遠すぎる)ということはあり得ないので、明らかにアマチュアの方がボールに近すぎると言える訳です。
※プロゴルファーは飛距離よりも正確性が命なので、シャフトを短くしたドライバーを使う人も少なくない(特に男子プロ)。
近づきすぎる原因は、アマチュアゴルファーの「少しでも正確にミートしたい」という心理の表れだと考えられます。しかしボールとの距離が近すぎると、腕の通り道が窮屈すぎて速く振りづらい=ヘッドスピードが上がらなくなります。またミート率も下がり、フェースのヒール側でヒットする確率が増えるので、スライスが多発して飛距離も伸びません。
更にゴルフスイングでは、インパクトまでに遠心力によって、アドレス時よりも手が前(ボールに近い方)に引っ張られます。岩手大学教授でゴルフスイング研究者でもある八木一正氏の著書「小娘たちに飛距離で負けないための授業」によると、アマチュアのヘッドスピード(40m/s程度)でも、ゴルフクラブの遠心力は130G(重力の130倍)に達するそうです。
即ち300グラム程度の一般的なドライバーでも、インパクト時には39キログラムもの力で引っ張られる事になる訳です。タイガーウッズクラスになると、この力は倍近くに達すると言います。プロゴルファーの連続写真を観察しても、ほぼ全ての人がアドレス時よりも肘や手首が伸びているのは、このように強力な遠心力でボール方向に引っ張られるからです。
つまり、ただでさえスイング中に自然とボールとの距離は近くなる訳です。アドレス時から近くに立っていては、スムーズなスイングなど不可能になる訳です。特にアイアンでシャンクが頻発する人などは、そもそもボールとの距離が近すぎる事を疑ってみるべきです。
※注意;ボールから離れすぎてもシャンクは起きやすくなる⇒シャンクが出る原因と治す方法
最適なボールとの距離が掴めずに悩んでいる人は、一度思い切りボールから離れてスイングしてみると良いかもしれません。プロの平均が88センチで、90センチ以上離れる人も居るのですから、思い切って靴三足分以上ボールと離れるなど、ベストな距離を探してみては?