HOME > ゴルフの物理学
ゴルフはとても不思議なスポーツです。我々一般人男性よりも遥かに体が小さく筋力も劣る女子プロが、飛距離で上回るのですから、そこには単純なパワーやスイングアークの大きさなどでは図れない秘密が隠されているはずです。一般的な表現でいう「コツ」のようなモノが、2秒とかからない一連のスイング動作の中に隠れているのです。
しかし、飛ばしのコツは何だ?というのは、アマチュアゴルファーの大きな憧れであり、有名レッスンプロやゴルフ雑誌で最も多いテーマでありながら、ほとんど具体化された事はありません。「ダウンスイングでのタメが重要だ」と言われても、タメって何なのか?どうしてタメを作れば飛距離がアップするのかは、物理現象として正確に解説されることはありません。
「遠心力を使え」と言われても、どうやれば遠心力が最大になるのか?感覚的に表現される事はあっても、正確にマニュアル化された練習方法が示される事も、やはりありません。
プロゴルファーやレッスンプロの人達は、体で技術を身に付けたいわゆる「体育会系」です。タメや遠心力という言葉を使っていても、その物理現象を理解している訳ではなく、感覚的な表現として使っているに過ぎません。悪く言えば、正しいゴルフスイングを物理現象として理解している訳ではなく、体で覚えたことを何となく表現しているに過ぎないのです。だから自分で正しいスイングを行えても、人にそれを行わせることが出来ないのです。
例えるなら、日本で蔓延っているゴルフレッスンの大半が、長嶋茂雄のコーチングのようなもので、感覚的で理論性に乏しいのです。その裏に、物理学的な法則や運動生理学的要素などの裏付けが無いから、他人にレッスンしても再現させられる精度が低く、運動神経が優れた一部の人間しか再現できない教えなのです。
当コーナーでは、このように理論性に乏しかったゴルフスイングを物理学的に解明し、明確な法則として体系化していくことを目的にしています。ゴルフのコツという感覚的な概念を、誰でも明快に理解できて、しかも誰もが再現できる理論としてまとめていくことが、究極の目標です。