HOME > 100を切るために必要な基本技術 > 下半身リードを止めろ!
日本のゴルフのレッスン書では、必ずと言ってよいほど「下半身リードでスイングしろ」と書かれています。ゴルフスクールのレッスンでも同様で、ダウンスイングの始動は、足や腰からだという理論が主流です。
この「下半身リード(でボディーターン)」というのは、究極的には正しい理論です。実際、プロゴルファーのスイング動画を見れば、ほぼ全員がトップからダウンスイングにかけて、足や腰など下半身が先に動いて、遅れて腕とクラブが下りてきています。プロゴルファーが我々一般人より遙かに飛距離が出せるのは、下半身の力を上手に使えたスイングが出来るからです。
しかし一方で、初心者の100切りを阻んでいる最も大きな理由が、下半身リードを意識が過剰で、スイングが崩壊している事です。下半身リードのスイングは、高いレベルでは正解なのですが、初心者には技術的に難しすぎる打ち方なのです。
下半身が先に動けば、それ以上のスピードで上半身(特に肩)が回転しなければ、インパクトでクラブが戻らない「振り遅れ」になります。初心者は、ほぼ例外なく全員がスライス癖に悩んでいますが、その最大の原因は下半身が先行しすぎてフェースが戻りきらずにインパクトしているからです。
また下半身がブレると、ダフリやチョロやシャンクなど、悲惨なミスが激増します。土台である足が少しでもブレると、上半身はそれ以上に大きくブレるので、インパクトがズレるのです。スライス、チョロ、シャンク・・・初心者がスコアを崩壊させるミスショットのほとんどが、書籍やレッスンですり込まれた「下半身リード」という魔の言葉が原因なのです。
当サイトでは、まだ100を切れないアマチュアの人は「下半身リード」という意識を完全に捨て去り、上半身の動きだけで球を打つ事をお勧めします。下半身を動かさなければ、振り遅れも打点のブレによるチョロやシャンクなども激減し、ショットが大幅に安定するからです。下半身を動かさず、上半身主体のスイングの方が、間違いなく100切りは早まります。
初心者の人は騙されたと思って、一度下半身を全く動かさず、上半身〜特に肩の回転だけを意識してクラブを振ってみて下さい。酷いミスが減って、スライスもしなくなるはずです。
その際のポイントは、腕を飛球線方向へ振らず、ヘソから上〜胸や肩だけを回して振ることです。上半身だけでボールを飛ばすといっても、腕を飛ばしたい方向へ振ってしまうと、シャフトが順しなりしてフェースが開き、スライスしか出ません。
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この下半身より上半身を優先させろという理論は、何も当サイト管理人だけが思い込みで言っている訳ではありません。下半身リードは一旦忘れろ!とアマチュアに指導するレッスンプロも沢山存在します。
例えば、当サイトでも紹介している名コーチ=桑田泉プロも、下半身を動かさず手打ちする(クォーター理論の「S3」)事や、DVDでは「初心者は手打ちしてから足が動く『手打ち⇒足の裏』の意識でOK」というレッスンも行っています。
また、2万人以上のスライスを改善したという吉本巧プロも「ダウンスイングの始動は必ず「肩」から」だと強調し「アマチュアは下半身リードでスイングしてはいけない」と断言しています。
繰り返しますが、下半身リードという動き自体は決して間違いではなく、究極的には正しい理論です。しかし満足に球を打てない初心者にとって、下半身リードは高度すぎる技術なのです。
自転車が乗れない子供に、いきなり一輪車に乗らす事が不可能なのと同じです。補助輪付きの自転車⇒普通の自転車、と順序立ててレベルアップしないと、一輪車は乗れるようになりませんよね? ゴルフも同じで、下半身リードを覚える前に、上半身(腕や肩の動き)でしっかりボールを打てるようになる事が第一段階。それが出来るようになってから、はじめて下半身リード打法に取り組むのが筋です。
下半身リードを止めろ!まとめ
・下半身リードのスイングは、究極的には正解だが初心者には難しすぎる
・下半身を動かさず、腕や肩の回転で球を打てば、ショットが安定する
・100を切るまでは上半身主体のスイングで十分
当サイト管理人は、100切りは言うまでもなく、90切りくらいのレベルまでは、上半身から始動するスイングの方が、圧倒的に有利だと断言します。足や腰から動くスイングは、その先で更なるレベルアップを望むという上級者だけが、初めて取り組むべき高度な理論なのです。
ゴルフ雑誌などでは、読者のレベルを無視して画一的に高度なプロの理論を載せがちです。しかし初心者の人は、段階を踏んで上達を目指さないと、むしろ悪害になるケースが多いです。桑田泉のクォーター理論でも、上級編では下半身主導のスイングへと発展していきます。早く100切りを達成したければ、技量に合ったレベルの練習方法に専念すべきです。