ゴルフ72のコツ
初心者でもお金を掛けず、最小限の練習でゴルフが上達するコツを紹介します。

ゴルフはベースボールグリップが圧倒的にメリットが多い!

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ゴルフクラブの握り方には、オーバーラッピング、インターロッキング、ベースボール(テンフィンガー)の三種類のグリップがあることは、初心者向けの解説書に必ず載っている情報です。

ところが、ほとんどのレッスンプロやゴルフ解説書では、オーバーラッピンググリップが正当であり、女性・子供など非力な人はインターロッキングで握るべきだと説明され、ベースボールグリップは亜流として無視されている事が多いです。

ベースボールグリップの握り方

しかし当サイトでは、初心者の人は絶対にベースボール(テンフィンガー)でゴルフを覚えることをお勧めします。その理由は、ベースボールグリップが10本の指全てをグリップに添えることにより様々なメリットが生まれ、圧倒的に上達が早まるからです。当サイト管理人も、ゴルフを覚えた最初はインターロッキングでしたが、途中でベースボールグリップに変え、今では自信を持って「これがベストな握りだよ」と勧めています。

ベースボール(テンフィンガー)グリップのメリット
・力が入りやすい=飛距離が出る
・フェースコントロールしやすい=スライスしにくい
・指を痛める事が少ない

これらは言い換えると、オーバーラッピングやインターロッキングのようにグリップに添える指が1本少なくなる事のデメリットとも言えるわけです。特に一般的なフィジカルのアマチュアゴルファーには、クラブを支え易くなることで飛距離がアップする効果が大きいです。

また球が捉まえやすくなるので、スライスの解消にも有効です。ゴルフ雑誌でも時々、ベースボールグリップの特集を見かけますが、アマチュアにテストして貰ったら多くの人が飛距離アップとスライスしにくくなったと感想を述べます。

ゴルフでは(シャフトに這わせる)左手親指や(左手と絡める)右手小指を痛めやすいです。しかしテンフィンガーグリップでは、このような怪我が起こりにくい事もメリットです。当サイト管理人も、左手親指を痛めた経験から、オーバーラッピングをテンフィンガーに変えました。おかげで楽に球を捉まえられるようになりスライスが減ったので、まさに怪我の功名でした。

★関連ページ;ゴルフで多い怪我と予防方法

ベースボールグリップの握り方は、普通に野球のバットを持つのと同じで、10本の指で握り込み、右手と左手は重ねません。親指はシャフトに這わせても、這わせず握りこんでも、どちらでもOKです。当サイト管理人は、左手親指は(怪我の経験があるので)這わせず握り込み、右手親指は他のグリップと同様にシャフトに這わせる握り方をしています。しかし後述するように、時松隆光プロや山本道場の山本誠二コーチは、両手とも親指を添えない握り方なようです。

違和感を感じるのは最初だけで、野球のようにナチュラルに握るだけなので、すぐに慣れられることもメリットです。本来ならベースボールグリップが、人間の感覚として自然なのは自明の理です。野球だけでなく、テニスの両手打ちも、アイスホッケーやラクロス、そして剣道でも、両手を重ねたりせず10本の指でしっかり握ることがそれを証明しています。

ベースボールグリップのプロゴルファーが活躍

ゴルフは科学的に研究されているように見えて、実は高校野球や相撲などのように古典的な考えに囚われて進化が遅れているスポーツなのです。クラブなどの用具は進化していますが、スイング理論は19世紀のヒッコリーシャフト(木製クラブ)時代の理論に囚われて、全く進歩していない部分も沢山残っています。その典型がグリップです。数々の名著を出している名コーチ=ハービー・ペニックも晩年に「アマチュアにはテンフィンガーを勧めておけばよかった」と後悔したそうです。

実はアメリカツアーでは、モー・ノーマンベス・ダニエルなど、ベースボールグリップで大活躍したプロゴルファーが、男女問わず沢山居ました。遅ればせながら日本でも、2014年に女子ツアー史上最年少優勝(15歳)を飾った勝みなみさんや、男子ツアーでも2016年にダンロップ・スリクソン福島オープンで優勝した時松隆光(ときまつ りゅうこう)プロのように、ベースボールグリップで活躍する人が現れ始めました。

★ベースボール(テンフィンガー)グリップの主なプロゴルファー
モー・ノーマン;優勝55回、史上最高のボールストライカーの異名を持つ奇才。
ベス・ダニエル;アメリカで賞金女王3回、ツアー通算33勝。世界ゴルフ殿堂入りのレジェンド。
アート・ウォール・ジュニア;1959年のアメリカツアー賞金王。マスターズも優勝。
ボブ・ロスバーグ;1959年の全米プロ優勝。
高村博美;1990年の日本女子ツアー賞金女王。
時松隆光;男子ツアー3勝(2018年5月時点)。
勝みなみ;女子ツアー史上最年少優勝(15歳)。2017年プロテスト合格。

★ベースボールグリップを推奨するレッスン
ハンマー打法;モー・ノーマンを参考に、ジャック・カーケンダル氏が体系化した理論
桜美式・OS理論;時松隆光プロを育てた桜美ゴルフハウス・篠塚武久氏のレッスン
ネイティブスイング理論(魚突きドリル);山本道場のレッスン理論

前述のようにベースボールグリップの握り方には、親指をシャフトに添える方法と、全く添えずに野球のように握り込む方法があります。時松隆光プロは親指は添えないようですね。そして右手を相当下から握る、極端なフックグリップです。時松プロは正確なショットが武器で、フェアウェイキープ率やパーオン率が非常に高いですが、原動力はこの握り方にありそうです。

時松隆光のグリップ写真
※時松隆光プロのグリップ(出典;週刊パーゴルフ・2018.7.17号)

時代と共にグリップの評価も変化していく

昭和の時代には「女や子供のグリップ」と揶揄され、成人男子がやるべきじゃないとさえ言われたインターロッキンググリップが、タイガーウッズや石川遼プロが採用していることを機に、男性でもOKな握り方だ・・・という評価へと変化しました。バッバ・ワトソンや松山英樹プロもインターロッキングで、近年ではむしろ主流派になりつつある位です。

またジョーダン・スピースのように逆オーバーラッピング(※注)で握る一流プレーヤーすら出て来ました。グリップの形に正解など無く、自分にあった握り方を見つけるべきなのです。

例えばYoutubeで大人気となっている山本道場では、ベースボールグリップで握る事を「推奨」したうえで、本人のフィーリング重視で好きにしろと教えています。山本コーチご本人も、色々試した末に、今はベースボールグリップで打っているそうです。

このような自由なレッスンが人気になっているという事は、やはり一般的なフィジカルのアマチュアゴルファーには、ベースボールグリップが最も合いやすいはずなのです。すぐに慣れる握りなので、初心者に限らず上達が頭打ちで悩んでいる人は、ベースボールグリップへの変更を試してみるべきですよ。

※注;ジョーダン・スピースのグリップは、インターロッキングの左手人差し指を浮かせた特殊な形で、厳密には逆オーバーラッピングではありませんが、見た目からそう表現されています。

ゴルフの常識というのは、時代と共に変化していくのです。オーバーラッピングが絶対だという非合理的な常識が崩壊し、ベースボールグリップも「亜流」でなくなる時代も近いはずです。

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