アマチュアゴルファーにとって、バンカーから出ないことは大きな鬼門のひとつです。100切りで行ってはいけない4つのことでも述べたように、バンカーから1打で脱出することが、スコアメイクにはとても重要な要素です。といっても、ピンに寄せる上手なバンカーショットを目指す必要はありません。100を切るには、とにかく一発で脱出できればそれで十分です。
ゴルフ場にもよりますが、各ホールには必ず幾つか、そしてグリーン周りには特に多く、バンカーは配置されています。入らないように徹底的に避けて&刻んで打つのもひとつの方法ですが、18ホール回って一度もバンカーに入らないというのは、アマチュアにとっては相当に難しい課題です。むしろ、バンカーショットの出ない原因を理解して、とりあえず1発で出せるコツを掴むようになる方が、よほど簡単です。
バンカーショットを一発で出すためのコツは、以下の3つです。
一つ目は、打ち方云々以前の話として、バンカー専用のサンドウェッジを使って打つことです。バンカー専用のサンドウェッジは、ソールの幅が非常に広く作られており、少々鋭角に打ち込んだとしても、砂に深く潜らない構造になっています。
また元々ソールが広いので、普通のサンドウェッジのようにフェースを開いて構える必要がない(開くとむしろ難しくなる)ため、トップしたりシャンクしたり等の、フェースを開くことで起きやすいミスの原因も消えます。
このため、普通に打つだけでバンカーから出しやすくなっています。一般的なサンドウェッジと打ち比べて見れば、その差は歴然と体感できます。100切りを目指す初心者には、簡単に出せるバンカー専用のサンドウェッジを使うことが、圧倒的にお勧めです。
※右が通常、左がバンカー専用のSW。ソール(底面)の幅が広い。
二つ目のコツは、ダフらないことです。一般的には、バンカーショットはボールの10センチくらい手前をわざとダフリ、砂ごとボールを飛ばすことだと解説されています。いわゆるエクスプロージョンショットと言われる技術ですね。
ところが100切りできていないアマチュアには、この「バンカーはダフるべし」という方法はお勧めできません。その理由は、このレベルのアマチュアのほとんどは、ダフろうとして過剰に砂に潜って出ない・・・という悪循環に陥っている人が多いからです。
バンカーショットというのは、打つ前に(滑らないよう)足を砂にめり込ませてアドレスします。ゆえに、少し足下よりボールが高い「つま先上がり」の状態になるので、普通に振ってもダフリやすいのです。それを更に手前から砂ごと打とうとするから、ダフリ過ぎになって出ない原因となります。ダフる意識などせず、サンドウェッジで普段通りに振れば、自然と丁度良いダフリ加減になる人が多いです。
3つ目のコツは、ややハンドレイト(グリップが体の中央)にアドレスすることです。通常のアイアンショットは、ボールよりグリップエンドが左側(飛ばしたい方向)に構える「ハンドファースト」ですが、バンカーショットはその逆で、グリップがボールの垂直線上〜もしくはやや右寄りになるハンドレイトに構える方が、ミスになりにくいです。
その理由は、ハンドファーストだとスイング軌道が鋭角気味になり、砂に刺さってしまいやすいからです。ハンドレイト気味だと、スイング軌道がスイープになり、砂に刺さるような軌道にならないのです。
とにかく、バンカーではハンドファーストは御法度です。ただし、過度にハンドレイトにすると、サンドウェッジのトレーリングエッジ(ソールのお尻部分)から着地して、砂で跳ねかえされてトップ(ボールの上半分を打つミス)して、バンカーから出ないリスクも出てきます。シャフトが垂直になる程度の軽いハンドレイトが、ベターなアドレスです。
バンカーから出ない原因と一発で出せる3つのコツまとめ
・バンカー専用のサンドウェッジを使え
・ダフる意識は逆効果なので止める
・ハンドレイト(ハンドファーストの逆)にアドレス
バンカーショットに自信が無ければ、周りがバンカーだらけのグリーンを見ただけでビビってしまい、マイナス思考に陥りがちです。 逆に「バンカーなんて1発で出せる!」と自信を持っていれば、常に優位なメンタルでラウンドできます。上記3つのコツを参考に、練習場でバンカーショットの特訓を行い、バンカー恐怖症を克服しましょう。