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ゴルフのルールでは、最大14本までクラブを使用して良い事になっています。そしてゴルフのあらゆるショットは、ターゲットゲームの性質(目標に向かって打っていく)があります。直接グリーンを狙わない状況でも、フェアウェイのどの辺に打てば有利なのか?最も危険な場所を避けるにはどの方向・距離へ打つのか?など、計算して打っていく事が基本です。
ゆえに、ドライバーからショートアイアン・ウェッジに至るまで、距離の差が出るようなクラブセッティングをすることが基本です。ウッドもアイアンも、数字が小さいほどロフト角が少なく、より遠くへ飛ばせるクラブ(9番アイアンよりも8番が、8番よりも7番アイアンが飛ぶ)となっています。但し、アイアンなどはセット売りになっているので、この点は問題になりません。
ただし、雑誌に載っているプロゴルファーのセッティングを真似することは、初心者にはベストな方法とは言えません。ゴルフには、レベルに応じて最適なクラブセッティングがあるので、このページでは初心者〜100切りを目指す段階の人が、最もお勧めのセッティングを紹介します。
初心者にお勧めのクラブセッティング | |
種類 | 番手と平均ロフト角 |
ウッド | 1W(ドライバー・10度) 5W(18度) 7W(21度) |
ユーティリティ | 4番UT(22度) 5番UT(25度) 6番UT(28度) |
アイアン | 7番アイアン(30度) 8番アイアン(34度) 9番アイアン(39度) ピッチングウェッジ(44度) |
ウェッジ | 48度 52度 58度(サンドウェッジ) |
パター | マレット型パター |
※備考;4番UTは9Wでも代替可能。なお、基本的にUTよりウッドの方がシャフトが長い=飛ぶので、7Wと4UTのロフト角が1度しか差がなくても、距離の差は十分に出るので問題ない。
上記は、初心者の人でも汎用性が高いクラブセッティングの一例です。以下、ポイントとなる部分を抜粋して解説してみます。
3番ウッド(スプーン)は初心者には無用の長物!バッグから抜くべし!
一つ目のポイントは、ウッド類の選択です。プロゴルファーや上級者は3番ウッド(スプーン)を必ず入れていますが、実は3番ウッドは初心者には全く必要がありません。3番ウッドはドライバーの次にロフト角が少なく長さも長いので、ティーアップしていない2打目以降に、地面から打って距離を稼ぐ事がメインのクラブです。
しかし3番ウッドは難易度が高く、初心者には打ちこなすのがほぼ不可能なクラブです。ロフト角が15度前後しかないので、ヘッドスピードが最低でも42〜3は無いと、球が上がらず全然飛びません。またロフトが少ない事で、サイドスピンが掛かりやすい=左右へ曲がるリスクもとても高いです。そしてシャフトも長くて扱いづらいので、初心者が地面から打とうとしても、大ダフリかトップ(チョロ)のミスが頻発します。
100切りを目指すレベルで最も重要な事は「大叩き(酷いミス)しない事」なので、3番ウッドは最も適さないクラブだと言えます(⇒ゴルフ100切りでやってはいけない4つのこと)。ゆえに初心者にはスプーンは「使っては行けないクラブ」とすら言える存在であり、キャディバッグからきっぱり抜いてしまうべきです。
※一部には「コントロールするティーショット用に3Wは必要だ」という人も居ますが、ドライバーに比べてフェースの厚みがはるかに薄い=テンプラやチョロのミスが増えるので、初心者には全くお勧めできない理論です。コントロールしたければ、ドライバーを短く持って軽く打つ方が、打点が上下にずれるミスが少ないので有効です。
5番アイアンはユーティリティに変えよう(できれば6番も)
もう一つは、アイアンの5番と6番〜いわゆるロングアイアンの扱いです。これも当サイトで何度も述べてきましたが、ロングアイアンもやはりヘッドスピードが40台中盤以上は無いとまるで飛ばせませんし、芯(スイートスポット)も極端に狭いです。
女子プロやシニア男子プロも、ロングアイアンをUTに変える人が増えてきています。5番や6番アイアンは、100を切れないレベルの人では絶対に使いこなせない代物ですから、同じロフト角のユーティリティ(UT)に買い換えるのがベストです。
★関連ページ;初心者は5番アイアンを捨ててユーティリティを使え!
更にいうなら、7番アイアン相当のユーティリティ(ロフト角が約30度)をお店で見つけたなら、思い切って7番アイアンもユーティリティに変えてしまった方が、ゴルフが更に簡単になります。このようなハイロフトのUTは滅多に見かけない代物ですが、買う価値は大いにあります。初心者がプレーする上で、アイアンがユーティリティに勝っている部分は何一つ無いので、可能な限りユーティリティにする事をお勧めします。
50度前後のウェッジも1〜2本入れよう
3つ目のポイントは、ピッチングウェッジとサンドウェッジの間のクラブを入れる事です。サンドウェッジはバンカーやグリーン周りで球を上げたい時に使うクラブで、最もロフト角が寝ています(通常は56〜60度位)。一方、市販されている初心者向けのアイアンセットでは、PW(ピッチングウェッジ)が最も短いクラブですが、そのロフト角は43〜45度くらいが平均です。
※上級者やプロには、50度以上のウェッジを3本以上入れる人も多いです。
つまりPWとSWの角度の差が10度以上ある状態になり、距離を打ち分けたいのにそのギャップが大きすぎるのです。アイアンのクラブ毎のロフト角は、3〜5度の差に収めるべきで、この理屈はプロや上級者でも初心者でも全く変わりません。
ゆえにAW(アプローチウェッジ)やGW(ギャップウェッジ)と呼ばれる、ピッチングとサンドの間のクラブも入れる必要があります。お勧めは48〜50度と、52〜54度のウェッジ、と2本を入れる事です。こうすれば、クラブを変えるだけで距離の打ち分けが行えるのでお勧めです。
パターはマレット型(大型ヘッド)が簡単
最後のポイントとして、パター選びについても。パターはグリーン上でボールを転がすだけのクラブなので、究極的にはどんな形・タイプでも、慣れてしまえば同じです。しかし、物理的には「マレット型」と呼ばれる、ヘッドの後方がウッドのように大きくなっている形の方が、簡単でやさしいパターです。スイートスポットが広い=ミスヒットが減って距離感のブレが減りますし、フェースの開閉量を抑制しやすい=方向性も安定するので、初心者にはお勧めです。
※このようなヘッドが大きいパターほど簡単
なお、グリーン周りのアプローチが苦手な人は、チッパーをセッティングに入れるのもありです。初心者感が丸出しになりますが、スコアを良くしたいなら、そのような拘りは捨ててチッパーを使うべきでしょう。その際、代わりに抜くのは4番UTか5番ウッドがベターです。100を切れないアマチュアは、このような長いクラブはどうせまともに打てないので、本数を減らしてもスコアに影響ありません。逆にウェッジの本数を減らす事は、あまりお勧めしません。
以上が初心者向けのお勧めセッティングの基本的な考え方です。ポイントは、アイアンよりユーティリティ優先、パターのヘッドは大きなタイプを・・・というように、できるだけやさしく使えるクラブを選ぶ事です。
余談ですが、市販されている初心者向けの一式セット(キャディーバッグとドライバーからパターまで一通りのクラブが入ったもの)には、3番ウッドや5番アイアンなど無用の長物が入っていたり、一方でPWとサンドウェッジのギャップを埋めるクラブがなかったり・・・等、かなり不親切なセットが多いので要注意です。こういうセット売りのクラブを買うなとは言いませんが、よいスコアを出したければ、お金を出してUTやウェッジを補強購入すべきです。