HOME > 100を切るために必要な基本技術 > ドライバーの正しい打ち方
詳しくは後述しますが、ドライバーショットはほとんどのアマチュアゴルファーにとって、スコアアップの最大の障壁となっています。ドライバーはその性能上、あらゆるクラブの中でダントツ・圧倒的に難しいからです。
しかし一方で、アマチュアの中にはそもそも「ドライバーの打ち方」が分かっていない人も多いです。プロゴルファーの談話で「ドライバーもアイアンも打ち方は同じだ」と語られたりするので、それを真に受けてドライバーに不適切なスイングをしている人も少なくありません。
そこでこのページでは、正しいドライバーの打ち方を解説してみます。
ドライバーの打ち方・目次
0.ドライバーというクラブの特性
1.握り方はフックグリップが絶対!
2.ドライバーはアッパーブローで打つのが必須!
3.アドレスで9割が決まる!
4.頭は常に右側(ビハインドザボール)
5.スライスばかり出る人の対処方法
ドライバーというクラブの特性
まずドライバーが、アイアンなど他のショットと明らかに異なる点を整理して、打ち方がどのように異なるのかを理解しましょう。ドライバーの特徴は、必ずティアップした状態で打つことです。このためドライバーは、全てのクラブで唯一、アッパーブロー(スイングの上昇軌道中)にボールを打つクラブとなります。
一方でドライバーは、全てのクラブの中で最もロフトが少ない(男性用なら9〜11.5度くらい)ので、サイドスピンが掛かりやすい=曲がりやすい性質があります。加えてシャフトも飛び抜けて長いので、難しさを助長しています。
※男性用のドライバーは45〜46インチですが、次に長い3番ウッドは42〜3インチ、アイアンは36〜8インチほどなので、ドライバーだけが飛び抜けて長いクラブなのです。
但し上記の性質は、正確に打つ際にはデメリットになりますが、一方で飛距離を伸ばすことにおいては大きなメリットとなります。要するにドライバーというのは「飛距離を優先するために、打ちやすさを犠牲にしている」クラブだと言えるのです。
握り方はフックグリップが絶対!
ドライバーの握り方(グリップ)は、初心者の人は必ずフックグリップにすべきです。後述するように、ドライバーは一番スライスしやすいクラブなので、フェースが返りやすいフックグリップで握る方が、圧倒的にゴルフが簡単になります。
また初心者の人は、オーバーラッピングやインターロッキングではなく、より簡単かつ指も痛めないベースボールグリップでゴルフを覚えることをお勧めします。
そしてアドレスでは必ず脱力して、グリップを強く握らないで下さい。手のひらに力が入ると、手首も硬くなってヘッドを大きく動かせないからです。力を入れるのは、インパクトの直前の一瞬だけでOKです(⇒「グリップは緩く」の正しい意味〜インパクトでは強く握る!)。
ドライバーはアッパーブローで打つのが必須!
ドライバーをアイアンと同様の最下点〜やや手前でボールにヒットする「ダウンブロー」で打つと、ボールのバックスピン量が増えて球が吹き上がり、全然飛びません。アマチュア男性で、パワーがあってヘッドスピードは早いのにボールが飛ばないという人は、ボールをダウンブローで捉えて吹き上がっているタイプの人が非常に多いです。
ドライバーの正しい打ち方で、最も重要なことが、アッパーブロー(スイングの最下点を過ぎたところ)でボールを捉えることです。ゴルフでは、ボールの下から持ち上げようとする「すくい打ち」は御法度とされますが、ドライバーは例外で、若干下からクラブが入るのが正解です。
アドレスで9割が決まる
アッパーブローを含め、実はドライバーショットの全てのポイントは、打つ前の構え方〜すなわち「アドレス」に集約されます。極論すれば、ドライバーショットの正否の9割はアドレスで決まるといっても過言ではないです。このアドレスが、アイアンなど他のクラブと最も異なる部分であり、アドレスを正しく作れば、スイング自体は他のクラブと基本的に一緒です(だからプロは「ドライバーもアイアンも打ち方は同じ」などと言うのです)。
まずボールの横位置です。アイアンは両足の真ん中にボールが来るようセットしますが、ドライバーは左足かかと線上にセットするのが基本です。またスタンスの足幅自体も、アイアンよりも広くなります。ドライバーは遠心力が大きいので、狭いスタンスだとクラブを振った時の慣性力で、身体がブレやすくなるからです。
そしてボールとの縦位置(足との距離)も重要です。多くのアマチュアゴルファーは、球に対して近すぎる傾向があります。ドライバーは遠心力が強く、インパクト時には手元が必ず浮くので、その分を想定する必要があります。詳しくはアマチュアは近すぎる!?アドレスで最適なボールとの距離のページをご覧下さい。
このようにして、ボールと足との縦・横の位置が決めます。するとボールが左足寄りにあるので、必然的に左肩が少し上がった、身体の軸がやや右に傾いた構えになります。この体勢が、ドライバーショットの正しいアドレスです。このまま振ってもスイングの最下点は両足の真ん中辺りになるので、必然的にクラブヘッドが最下点を過ぎた、少し上昇軌道の所でボールに当たりますから、自然とアッパーブローが出来てしまうのです。
頭は常に右側(ビハインドザボール)
上記の構えだけで大部分が完成ですが、スイング中で重要な点は、頭を右サイドに残すことです。俗に「ビハインドザボール」と言う技術です。下記写真は宮里美香プロのインパクト前後ですが、頭は右足付け根(右腰)あたりの真上にありますよね。実はプロゴルファーや上級者は、必ず頭は右足側に残って振っています。これがドライバーショットでの正しい頭の位置です。
前述のように、ドライバーはアッパーブローでボールを打つため、ボールをヒットする場所(ヘッドスピードが最速の場所)は、スイングの最下点を過ぎた直後となります。ここを最速で振り抜くためには、頭を右足寄り(飛球線の後方)に残す動きが有効になります。物理用語でいうと、遠心力を最大化するには、その反対向きに働く力=向心力が必要だからです。頭を後方に残すほど、遠心力が大きく使える=ヘッドが走るのです。
※よく「クラブヘッドと頭が引っ張り合う形」とも表現されます。
このビハインドザボールの動きは、あらゆるショットで有効ですが、アイアンのように地面から打つ場合は、ボールの手前をダフる可能性が高いので、過度に意識しない方がよいです。一方でドライバーは、ティーアップしているのでダフるリスクが少ないため、思い切って「頭を後ろに振る」くらい極端な動きをしても大丈夫なのです。
逆に、スイング中に頭が飛球線方向(左足側)に来るのが、いわゆる「突っ込む」と呼ばれる動きで、やってはいけない打ち方です。ゴルフでは「体重移動しろ」なんて教えがあったりするので、つい頭も左側に動く人が多いのですが、左に突っ込むと遠心力に対する向心力が働かないので、ヘッドスピードが上がりません。実は左一軸打法のような特殊な打ち方ですら、頭は左側に突っ込んではいないので、ドライバーショットでは頭を右に残すのが必須なのです。
スライスばかり出る人の対処方法
ドライバーでは、クラブの長さを生かして、身体の回転〜遠心力でボールを飛ばす打ち方が必要です。逆に絶対にやっては行けないのが、飛球線方向に腕で真っ直ぐ振り抜こうとする行為です。これをやってしまうと、ゴルフスイングで最悪の「シャフトの順しなり」が起きてフェースが開き、球は大きく右へプッシュアウトするスライスしか絶対に出ません。
★関連ページ;ゴルフスイングにおける遠心力の本当の意味
ドライバーはシャフトが長いので、腕を振れば順しなりが起きやすい=スライスしやすいクラブです。ドライバーでスライスばかり出る初心者は、まず腕を飛球線方向に振らない意識付けを徹底することが重要です。それでもスライスが治らない人は、フェースを返しやすいベースボールグリップにするのをお勧めしています。
また、そもそもバックスイングで腕を時計回りにねじる(いわゆるアームローテーション)をすると、インパクトで戻りきらず、スライスする原因となります。バックスイングで腰の高さ(シャフトが地面と平行)の時に、フェースが前傾姿勢と同じ向きになっている事を意識すると、初心者は理解しやすいでしょう。
アマチュアゴルファーがゴルフでスコアを良くするには、ドライバーの精度と飛距離が最も重要です。一般的には「パターが最重要だ」という理論がまかり通っており、確かに究極的にはパターは重要です。しかしパットは、ド素人が適当に打っても入る事があるプレーです。動きが小さいので、女性や子供など非力な人でも問題なく打てます。
★関連ページ;ドライバーとアイアンは同じ打ち方・・・で無くても良い!
一方でドライバーショットは、練習しない初心者がいきなりちゃんと打てる可能性は、万に一つもありません。ドライバーが飛ばなければ、2打目以降が苦しくなってスコアの足かせとなります。また当サイトで何度も言ってますが、スコアアップの「最大の敵」はOBです。100を切れないアマチュアは、必ず1ラウンドに何度もOBを打ちますが、これを減らすことが、スコアを縮めるのに最も有効です。