HOME > 100を切るために必要な基本技術 > 5番アイアンを捨ててユーティリティを使え!
初心者の中には、始めに購入したアイアンセットをそのまま使っているという人も居るでしょう。そしてほとんどの人が、5番や6番といったミドルアイアンをまともに打てずに苦労していると思います。これは、貴方の腕が未熟だという面もありますが、そもそも5番アイアンはアマチュアにはオーバースペックで難しすぎることも理由です。
アイアンよりウッド形状のユーティリティの方が、ヘッドの奥行きが長い分、スイートスポット(いわゆる「芯」の部分)が広いです。加えてウッド形状の方が重心が低くなるので、球も上がりやすいです。下の図は、クラブの芯の位置を比較したイメージ図です。
ユーティリティは重心が低いため、フェースの最下部(リーディングエッジ)まで芯が広がっているので、少しトップ気味に打っても球が上がります。一方、5番アイアンは芯の位置が高く、リーディングエッジで打つと単なるトップしか出ません。ミドルアイアンは、ダウンブロー軌道でスイングしないと芯に当たらず球が上がらない構造なのです。
しかもパワーも必要です。5番アイアンのロフト角(初心者向けのクラブで23〜26度くらい)で綺麗に球を打つには、概ねドライバーのヘッドスピードが43m/s以上出ることが必要と言われています(45以上という説もあります)。それ以下だと、たとえスイートスポットで打ってもパワー不足でバックスピン量が足りす、球が上がらないので飛距離が出ないのです。
ティーアップした状態だとそれなりに飛ぶが、地面からだと弱々しいスライス球しか出ずに飛ばない・・・という人は、まさにヘッドスピード不足の典型例です。ティーアップするとボールの下からヘッドを入れる「すくい打ち」で球が上げれますが、地面からだとダフるので不可能です。
女子プロやシニア男子プロの中には、5番アイアンを使わず同じロフト角の5番ユーティリティを使う人も増えている理由も、ヘッドスピード不足だからです。
このように、基本的スペックとしてアイアンよりユーティリティの方が、遙かに打ちやすいクラブなのです。アイアンの唯一のメリットは操作性の高さですが、そんな要素は100切りが出来ていないアマチュアにとっては何の意味もありません。
★関連ページ;アイアンとユーティリティとウッドの違い〜メリットの比較
であるなら、アマチュアゴルファーは最初から付いていた5番アイアンを捨てて、新たに5番ユーティリティを購入して使う方が、遙かにスコアアップしやすくなります。語弊を恐れず言うなら、5番アイアンはアマチュアにとって無用の長物なのです。当サイト管理人も、下手くそだった頃からずっと5番アイアンは封印したままで、代わりに25度のユーティリティを使っています。
なお同じ25度前後のロフト角でいうと、5番ユーティリティだけでなく9番ウッドや11番ウッドといったショートウッドを使う選択肢もあります。ショートウッドはユーティリティよりさらに球が上がりやすいですが、シャフトが長くてミートしづらいデメリットがあります。
更に言うなら、6番アイアンもユーティリティに変えてしまうと、更にゴルフが易しくなって、100切りを早く達成できるでしょう。7番も8番も全て変えてしまいたい所ですが、7番アイアン相当(ロフト角30度前後)のユーティリティは、ほとんど存在しません。6番アイアン(ロフト角26〜8度)でもギリギリで、商品数は限られています。
またさすがに8番以下のアイアンになれば、ロフト角が寝ているのでヘッドスピードが遅くても球が上がりやすく、また芯も広いです。仮にユーティリティ形状のクラブがあっても、さほど差は感じないでしょう。
ですが日本のゴルフ人口は、どんどん高齢化してきています。現在でも、5番や6番がユーティリティになっているアイアンセットが一部にはありますが、こういうクラブが今後は更に増えていくと予想されます。また現在は存在しない7番アイアン=ロフト角30度くらいのユーティリティも、いずれ販売されるようになるでしょう。
21世紀に入り、アマチュア向けアイアンはストロングロフト化しています。プロや上級者向けの「マッスルバック」タイプのアイアンのロフト(昔からほぼ変わっていない)と比べると、1〜2クラブ分立っています。例えばアマチュア向けの7番アイアンは平均30度ですが、マッスルバックの7番アイアンは35度前後あり、30度といえば6番と5番の間くらいに相当します。
バブルの時代は「3番アイアンを打ちこなせればアマチュアとして一流」とよく言われましたが、当時の3番アイアンはストロングロフト化した現在のアマチュア用アイアンの4〜5番くらい(21〜23度)なのです。よって100を切れないレベルのアマチュアが、現在の5番アイアンをまともに打てないのは、至極当然の話です。