ゼクシオ(XXIO)はダンロップゴルフが販売する、日本で最も有名で評判も高いゴルフクラブブランドです。ゼクシオシリーズは極めて値段が高く、中古クラブショップでも中々値下がりしないことでも有名です。それだけ高価でも、ゼクシオが人気である理由は何なのでしょうか?
※出典;XXIOオーナーズクラブ会員申込書
一般的に言われる理由が、ゼクシオが打ちやすいクラブだという点です。ゴルフショップの店員に質問したら、8〜9割の確率で「打ちやすいクラブだからですよ」という口コミ情報が返ってきます。店員がどこまで理解しているのかはともかくとして、ゼクシオが打ちやすい事をコンセプトに設計されたクラブなのは事実です。
ゼクシオは日本製のクラブであり、日本人のアベレージゴルファーのスイング(特にゼクシオのターゲットである中高年層)に合わせて設計されています。
クラブの顔(見た目)からフェース上のスイートエリアの場所、シャフトのキックポイントなど、徹底して日本のアベレージゴルファーのデータを取り、彼らに合う性質を追求しているのです。この事が、多くの日本人ゴルファーが「打ちやすい」と感じる理由です。
テーラーメイドやキャロウェイといった外資系ブランドは日本でも評判が高いですが、基本コンセプトはアメリカ人に合わせたものです。シャフトの長さなど一部は日本仕様に変更して販売されますが、ベースの設計が日本人には合っていないと言えるわけです。
ゼクシオが人気な理由のもう一つは、飛距離性能の高さです。日本のアベレージゴルファー、特にオジサン連中は、他人より飛ばす事へのこだわりが非常に強いですから、彼らの虚栄心を満たす仕様が備えているのです。
ゼクシオは、筋力が衰えたオジサンゴルファーでも、飛距離が出るような設計になっています。その要因の一つは、ストロングロフトです。例えばゼクシオシリーズの7番ウッドは20度(一般的には7番ウッドは20〜23度)、5番UTは23度(同じく一般的には23〜26度)ですから、ほぼ市販クラブの上限域のストロングロフトです。
もう一つの飛距離が伸びる要因は、アベレージゴルファーが普通に振っただけでもタメが効いたスイングになり、ヘッドスピードが最大化するよう、シャフトや重さのバランス等が設計されていることです(ゼクシオ9以降)。下記は、ヘッドスピードが上がる仕組みを解説した、ダンロップの公式動画です(1分あたりから注目)。
フェース面の反発計数は規制により上限値があるので、各メーカーで差はありません。単にストロングロフト化したりシャフトを長くすれば、飛距離は伸びますがミート率が下がり、正確に打ちづらくなります。一般的なクラブの飛距離アップ方法には、限界やデメリットがある訳です。
しかし、アマチュアゴルファーが普段通りに振って、ヘッドスピードが速くなれば、無理なく飛距離を伸ばせる訳です。最新のゼクシオ9では、アベレージゴルファーのスイングすると、自然とタメが出来るよう、ウエイト配分やシャフトのキックポイントなどが調整されているそうです。
この理由により、上記の動画であるようにダウンスイング前半の半径が体に近い=タメの効いた軌道になり、ヘッドスピードが上がって飛距離アップするのです。タメの物理的な仕組みは、ゴルフスイングにおけるタメの意味と作り方のページをご覧下さい。
「ゼクシオ9のすべて(週刊パーゴルフ臨時増刊)」の調査データによると、性別や年齢がバラバラの15人のアマチュアゴルファーがゼクシオ9のドライバーを振った場合、13人が自分のクラブよりもヘッドスピードが上がった(平均1.2m/s)との事です。これは飛距離に換算すると、5〜6ヤードのアップが見込める数値です。
ゼクシオが人気な理由まとめ
・アベレージゴルファーにフィットする(打ちやすい)事が追求されている
・自然にタメが出来て飛距離が伸びる設計がなされている
・ゼクシオ=お金持ち、の評判が浸透しているステータスの高さ
ゼクシオは値段が高いので、お金持ちしか買えないクラブだという意味でも、オジサンゴルファーの虚栄心を満たす存在です。何せゴルフクラブにも関わらず、オーナーズクラブ会員制度まで用意されていますからね。自動車で言うところのベンツやセルシオと同じように、所有すること自体がステータスと化すほど、高い評判を維持している事が、ゼクシオ人気の最大の理由です。ダンロップのブランド戦略が大成功していると言えますね。