ゴルフ72のコツ
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「グリップは緩く」の正しい意味〜インパクトでは強く握る!

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ゴルフでは、必ずと言って良いほど「グリップは緩く(柔らかく)握れ」「手の力を抜け」とレッスンされます。ゆるゆるグリップ理論の高松志門プロ、雑巾王子こと武市悦宏プロもそうです。特にドラコン選手は、南出仁寛プロや安楽拓也プロなど、ほとんどの人が「グリップは力を入れて握るな!」と教えています。

グリッププレッシャーは極力緩く〜というこの教えは、物理的に完全に正しい理論です。特に飛距離を伸ばしたければ、力を抜くことは絶対で、このアドバイスだけでヘッドスピードが上がるという人も沢山居ます。

しかし一方で、緩く握る事を意識するあまり、間違った身体の動きをしてパワーをロスしていアマチュアゴルファーも少なくありません。このページでは「グリップを緩く握る」という物理的な意味と、それをスイングで正しく生かす方法を解説してみます。

脱力すれば手首の可動域が大きくなる理由

まずグリップは緩く握る事により、なぜ飛距離がアップするのかを物理的に解析してみます。ゴルフスイングでは、手首の僅かな動きでヘッドを大きく動かすことが可能です。佐久間馨のSメソッドゴルフで詳しく書きましたが、手首のコック(ヒンジ)とその解放の動きでは、逆テコの原理が働いて、手元が動く距離の10倍以上もグラブヘッドが動きます。

俗に「ヘッドが走る」と表現される、身体はあまり動いてないのにヘッドスピードが速い状態は、この手首の可動が生んでいるのです。


※画像出典;佐久間馨パープレーは誰でもできる (にちぶんMOOK)

そして、ヘッドを走らせるような手首の動きは、クラブを握る手の平を脱力した状態にしておくことが絶対に必要です。その理由は、手の平を握り込む筋肉は、手首を動かす筋肉(厳密には「腱」)と繋がっているからです。

下記は、前腕の手の平側の筋肉の一部です。実は手の平には、指を握り込むための筋肉は存在していません。拳で「グー・チョキ・パー」を作る動作は、前腕にある浅指屈筋や総指伸筋という筋肉を使っています。指はそれらの筋肉に付いた「腱」によって引っ張れれる事によって、動いているのです。


※画像出典;肉単(ニクタン)・株式会社NTS

そして浅指屈筋や総指伸筋の「腱」は、当然ながら手首の関節も通っています。そのため、指先に力を入れようとすると、必然的に腱が引っ張られて緊張した状態になるので、手首の可動範囲が狭まるのです。要するに、グリップを強く握り込むと、人体の構造上、必ず手首も動かしづらくなるので、ヘッドを走らせる事が難しくなるのです。

緩く握っておきながら、インパクトでは力を入れる!

このように、ヘッドを走らせるために「グリップを柔らかく握る」ことは重要です。しかしアマチュアゴルファーの中には、力を抜くことに意識がありすぎて、インパクトで腕が十分に振れなくなる人も少なからず存在します。

打ちっ放し練習場で、クラブを前方に放り投げてしまう大迷惑な人、たま〜に居ますよね?あの人達は、緩く握る事ばかりに集中しすぎて、スイングの遠心力を支えきれずに、クラブが飛んでいってしまっている訳です。同様にクラブを投げるまではいかなくとも、インパクトで力を込められない、ヘッドがボールに当たり負けしているアマチュアの人はかなり多いです。

確かにトップに振り上げダウンスイングするまでは、グリップを柔らかく握るべきなのですが、インパクトの直前には強く握り込む意識は必要です。ボールを強く叩く意識が無いと、いくら手首の可動域が広くてもボールは飛ばないのです。

上記は大人気YouTubeチャンネル・山本道場でのレッスンの一部です。「インパクト前にぎゅっと握れ!」と教えられたら、被験者の男の子がコンパクトなスイングなのに鋭い球が出ています。スイング中は基本的に脱力すべきですが、インパクトでは力を込める事が必要なのです。

重要なのは、力を込めるタイミングです。ダウンの初期から手の平に力が入っていると、前述したように手首の可動域が狭まって、ヘッドは走りません。ですが握るのが遅いと、インパクトに間に合わず当たり負けします。ボールに当たる直前に思い切り「ギュッ!」と握り込むタイミングが重要なのです。山本氏が教えるように、家の中でペットボトル等を握り込む練習をすることでも、タイミングを掴むには有効でしょう。

もう一つ加えると、人間の筋力というのは「力を入れっぱなしの状態」よりも「瞬間的に力を入れる」方が、より強くなります。握力計をゆっくり握っていくより、一瞬でギュッと行く方が、力は強くなりますよね?ゴルフスイングでも同じで、力んでボールを叩きに行くより、脱力しておいてインパクトの瞬間だけ力を入れる方が、パワーが上がるのです。

「グリップは緩く」の正しい意味まとめ
・ゴルフでは手首の僅かな動きでもヘッドが大きく動かせる
・グリップを緩く握れば、手首の可動域が広がってヘッドが走る
・ただしインパクトの瞬間は、力を込めることが必要

グリップを緩く握れというレッスンは、論理的には正しいのですが、言葉足らずな部分がある訳です。力を入れる意識がどのタイミングなのかは、人によって反射神経が違うので微妙に異なります。練習場で、握るタイミングを色々変えて試してみましょう。

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