ゴルフ72のコツ
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練習場(レンジ球)とコース球の「本当の」飛距離の差

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ゴルフの打ちっ放し場で使われる球は、通称「レンジ球」と呼ばれ、市販されているゴルフボール(コース球)とは性質が異なります。耐久性・安全性やコスパが重視されるため、レンジ球は飛距離性能がかなり落ちます。

一般的には「コースボールより10%飛ばない」というのが定説で、ベテランゴルファーなら聞いた事があるでしょう。しかし、これはかなり乱暴な表現で、実際には5%も変わらないケースもあれば、20%近く飛ばないケースもあるので、本当のところはどうなのか?解説します。

まず、日本の打ちっ放し練習場のレンジボールは、ダンロップ(スリクソンやDDH)とブリジストン(ツアーステージなど)の2社が大半です。そして両社ともいくつかボールの種類があって、各々の飛距離性能が異なります。

最新の「ツーピースボール」なら5%未満しか変わらない球もある一方、古くから使われている「ワンピースボール」はかなり飛距離性能が落ち、ものによっては20%近く飛ばないです。また、池に向かって打つ練習場の球は、水に浮くように軽くできている分、左右に大きく曲がりやすく、風の影響も大きいです。

また、単にボールの種類だけでなく、経年劣化の度合いもかなり影響します。100打席クラスの大型練習場では、10万球以上のボールが循環しており、また定期的に洗ったり等のメンテナンスも行われますが、それでも毎日打ち続けているため、時間と共に劣化していきます。

特にディンプル(ボール表面のくぼみ)が擦り減ってくると浮力が弱くなるので、打球がドロップしやすくなって飛びません。これは、より本球に近い飛距離が出るツーピースボールほど、ドロップしやすいです。野球のナックルボールや、サッカーの無回転フリーキックのように、打球がブレるようにストンと失速するから、分かりやすいはずです。

ということで、飛距離性能の本当の差は「使われている球の種類や、劣化の度合いによって大きく異なる」というのが正解です。何とも煮え切らない結論となりますが、それが真実なので仕方ありません・・・。

ですから貴方が行きつけの練習場で、球の種類を見極める事が最善です。打ちっ放しでは時々、客が打ち込んだ(私物だった)コース球が出てくるので、何度も比較していれば、大体の飛距離性能の差が見えてくるでしょう(ユピテルなどの弾道測定器を使えば更に分かりやすい)。

ちなみに、当サイト管理人の行きつけの打ちっ放しでは、店員は「コース球より約10%減です」と言いますが、実際にユピテルで長年測ってきた数値と比較すると、飛距離の差は10%未満(5〜8%位では?)と感じています。店員も正確には分かってなくて定説を言ってるだけのケースもあるので、鵜呑みにしない事も重要です。

ウェッジなどロフトの大きいクラブは飛距離の差が出ない

ただし、性能の差を見極める際に、幾つか注意点もあります。

まず、練習場の距離表示が正確かどうか?という点です。打ちっ放し練習場では、ヤーデージを表示した看板等が置かれていますが、その数値が実測の距離の場合と「サバを読んでいる」場合があるのです。後者は、レンジ球が飛ばない分を最初から考慮して、表示されたヤード看板が実際よりも10%前後手前になっているのです。店によってどちらのケースもあるので、店員に聞くのが一番です。


※打ちっ放しの看板は実測ではなく「サバ読み」の場合もある

もう一つの注意点は、長いクラブでは10%程度飛距離が落ちるレンジボールでも、ウェッジやショートアイアンのような短いクラブ(ロフト角が大きい)ほど、その差が小さくなっていき、100ヤード以内のショットではほとんど差が出なくなる事です。

レンジボールが飛ばない最大の理由は、反発力が弱くボールスピード(初速)が落ちるためです。ライナー性の弾道となるドライバーで10%飛距離が落ちても、45度以上の角度で打ち上がるウェッジのショットでは、初速のエネルギーの過半数が上に上がる分に消費されますから、物理的に考えて飛距離の差は半分以下に落ちます。

当サイト管理人の雑感ですが、10%飛ばないレンジボールでも、52度や58度のウェッジでフルショットした飛距離は、5ヤード未満の差しか出ません。初心者の人はすくい打ちで球がより高く上がる傾向なので、ほぼ差は出ないです。7番アイアンだと7〜8%、5番だと10%(ほぼドライバーと同程度)の差になる・・・と感じています。

レンジ球とコース球の本当の飛距離の差まとめ
・定説では、レンジ球は約10%飛距離が落ちると言われる
・実際にはボールの種類や経年劣化の具合で、5〜20%減と幅が大きい
・ウェッジなど短いクラブほど、物理的に飛距離の差は小さくなる

最後にもう一つ注意点を。上記の動画でも触れられていますが、レンジボールは球離れが速いため、捉まりが悪い(=スライスしやすい)という特性もあります。逆に言うと、練習場で左への引っかけが多い人は、ゴルフ場で本球を打つと捉まりすぎ=チーピンが多発する恐れがあるので、注意が必要です。

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