HOME > 有名レッスンプロの内容と評判 > 中井学のヒップターン理論
中井学氏は、日本で最も人気の高いレッスンプロの一人です。そんな中井プロの理論の中心となるのが、腕を使わずに体幹の回転を使ってクラブを振る事だといいます。ご本人は「〜打法」のように明確な名称は付けないのが主義だと述べていますが、ここでは氏の人気書籍の名称を取って「ヒップターン理論」と呼ぶことにします。
ヒップターン理論の中核は、とにかく腕を使わないで体の回転でクラブを振ることです。日本のゴルフレッスンで主流派である「ボディーターンで打つ」という方法論の代表的存在です。
但しこれだけでは不十分な説明なので、当サイト管理人なりにもう少し解説を加えると、ボディーターン打法のポイントとなるのが、絶対に腕を横に振らないことです。腕を横(飛球線方向)に振ると、その瞬間に遠心力がほどけてクラブヘッドの慣性力が発生し、シャフトが順しなりを起こしてフェースが開き、吹けあがるスライスになってしまいます。ボディーターン打法を打ちこなすためには、とにかく腕とクラブを一体にして、体幹の回転=遠心力だけを使うようにする必要があります。
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初心者ゴルファーがスライスばかりしか打てない理由は、どんなに「手を使うな」とレッスンされても、本能的に飛球線方向に腕を振ってしまい、インパクト時にシャフトが順しなりが起きているからです。
ヒップターン(ボディーターン)の感覚を身につけるには、とにかく体幹の回転「だけ」でクラブを振る感覚を身に付ける必要があります。当サイト管理人も、下手くその頃はこの感覚が全く分かりませんでしたが、色んな打ち方を試すうちに「腕を振らない」感覚が分かり、ボディーターンで打てるようになりました。この感覚が理解できるまでには、2年近く掛かった記憶があります・・・。とにかくボディーターン「だけ」で打つことは、初心者には難しいです。
このため、初心者が手っとり早くスライスを治し、球を捕まえる感覚を養う為のレッスンを行うプロも居ます。その典型が、当サイトで紹介する中でも最も評判の高い「クォーター理論」の桑田泉プロです。
ボディーターンで手を使わないという中井氏の「ヒップターン理論」と、思い切り手を使って球を捕まえに行くべきだという桑田氏の「クォーター理論」。ともにアマチュアゴルファーに人気の高いプロですが、内容は真っ向から対立しています。
つまり中井学氏と桑田泉氏では、教える理論が完全に真逆です。お二人のインタビューなどを見聞きしていると、直接の名指しこそ避けているものの、お互いの理論を否定的に思っているように見受けられます。アマチュアゴルファーの人気や評判も、桑田派と中井派に、真っ二つに別れています。
では、どちらの理論が正しいのか?と言われれば、当サイト管理人は「どちらも正しい」としか言えません。私はどちらの理論も試し、どちらの方法でも球を打てるようになることは体験済みです。あえて言うなら、桑田氏のクォーター理論の方が簡単・初心者向きで、中井氏のヒップターン理論の方が感覚の修得に時間が掛かると思います。
より高い次元のゴルフになるには、最終的にはボディーターンを極めていく必要があるという面で、実はクォーター理論も上級編ではボディーターンの要素を追加していくのです。最終的に行き着く先は同じで、そこに至る過程〜上達の考え方が真逆だというだけです。
中井氏のレッスン内容を一部紹介すると、腕を振らないスイングのコツとしては、上半身で動かすのは肩甲骨のスライド〜テイクバックでは左肩甲骨を前に押し、右肩甲骨を後ろへ引くだけ〜だと言います。テイクバックでは、ヒップターンを行いつつ肩甲骨の引き&伸ばしを行うだけ、後は動き出したクラブヘッドの慣性力に任せてトップまで上がるだけ。コックも全く意識しない、つまり勝手にコッキングされるだけだと。
そしてダウンスイングでは決して腕を振らないで、ヒップターンで腕とクラブが勝手に振り戻されるので、それを邪魔しない事がポイント。体幹の回転に遅れて腕とクラブが戻ってきたままレートヒッティングする。フェースローテーションも自然に任せる、というものです。
至ってナチュラルな動きですが、唯一、捻転差だけは大きく意識すべきだとレッスンされています。トップでは腰が45度・肩が更に45度・合わせて90度身体がねじられた状態が正しい。そのため、トップの姿勢は「非常に苦しい」感覚が正しいと述べています。
腕を使わないで振る感覚を身に付ける練習方法として、グリップエンドをおへそにひっつけて振るドリルが紹介されています。また、アドレスから上体を起こして顔の前で構え、体幹の回転だけで左右にクラブを振る「神主素振り」も有効な練習方法だそうです。