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ゴルフの初心者には、スイングのフィニッシュが決まらず、前後左右にふらつくという悩みを抱える人が少なくありません。ぐらついて前のめりになる、体重が後ろに残りすぎて反り返る「明治の大砲」になる、というパターンは特に多いです。
オジサンゴルファーに多い明治の大砲
かくいう当サイト管理人も、下手くそな頃はよろけて全く綺麗に立てず、ひっくり返りそうになる事もよくあったので、この悩みの深さはよく理解できます。このページでは、フィニッシュが取れない原因と、その対策を説明してみます。
フィニッシュが安定せずにふらつくのは、スイング中に起きる重心移動に対する、身体の対処が間違っていることが、原因のほぼ全てです。他のページでも散々述べていますが、ゴルフスイングでは人間が思っている以上に慣性力が働いています。バックスイングでは背中の後ろ側へ引っ張られ、ダウンスイングではボールの方へ引っ張られます。
バックスイングで「伸び上がり」が起きる人は、スイング中に発生する慣性の力(遠心力)に、抵抗する力を生み出していないからです。同様に、ザックリやシャンクが頻発する初心者は、ダウンスイングでボール方向へ発生する慣性力に身体が引っ張られて「突っ込む」事が原因です。
フィニッシュが取れない事も、原理はこれと同じです。ダウンスイングでボール方向(足のつま先側)へ引っ張られる力が働いているのに、ボールを打とうという意識ばかりがあると、単純に身体が突っ込むだけになり、フォロースルーで前のめりに体制が崩れるのです。慣性力で、身体の重心が大きく前方へ引っ張られて、バランスを崩している訳です。
ここに大きな落とし穴があります。身体の重心が動かされているのを、足だけで踏ん張ろうとしても絶対に絶えきれません!フィニッシュが取れない人に対して「もっと足で踏ん張れ!」「足を踏み込め!」なんていう教えは間違いです!重心は足よりも上の方(おへその下あたり)にあるので、足だけでいくら踏ん張っても完全に無意味です。
ふらつく事に対する正しい対策は、足で踏ん張るのではなく、重心が引っ張られる方向と反対に力を出すことです。具体的には、お尻(腰)を少し背中側に引く意識を入れることです。こうすれば、重心がボール方向へ引っ張られる力に対抗できて、前のめりになりにくいのです。
同様に、明治の大砲の如く後方へ反り返る癖の人は、インパクト以降で重心が右足側へ残りすぎていることが原因です。フォロースルーでお尻・腰がボールを打ち出す方向へと動かせば、重心も移って左足一本で立てるフィニッシュが取れるようになります。
★足で踏ん張るのではなく、お尻(重心)で安定させろ!
いずれにせよ、意識すべきは「身体の重心をどこへ動かすのか?」という1点に尽きます。仮に足の裏が地面と固定されていたとしても、重心がボール方向へ動かされれば、膝や腰から前のめりに崩れ落ちます。高いビルはいくら頑丈に造っていても、地震で大きく揺れるのと同じで、重心から遠い場所で頑張っても無駄なのです。
もう一つ、安定したフィニッシュを決めるためのコツを言うと「重心の高さを低くすること」です。具体的には、膝や腰を曲げて深い前傾姿勢を作れば、身体の重心の高さが下がり、ふらつかずに安定しやすくなります。
組み合いのある格闘技〜相撲や柔道やレスリングなどは、例外なく必ず「腰を落とせ!」とか「低く当たれ!」と指導されます。体重が重くても、重心が高い棒立ちの姿勢だと、相手に下から入られるとあっさり投げられてしまいます。重心の高さは、体重やパワーなどのハンディを覆すほど、とても重要な要素なのです。
ゴルフスイングも同様で、前傾姿勢を取らない棒立ちのアドレスだと、重心位置が高いので、スイングで発生する慣性の力(遠心力)に振り回されやすいのです。
更にいうと、膝や腰が棒立ちだと、関節のクッション機能が働かないので、重心移動でバランスを保つのが難しくなります。適度に曲げている方が、自動車のサスペンション(バネ)のように振動を吸収できるので、ふらつかずに安定した姿勢を維持しやすくなるのです。
野球の打者、テニスのレシーバー、サッカーのゴールキーパーなど、あらゆるスポーツで重心を下げる動きが行われます。ゴルフで前傾姿勢をとる理由も同様です。
フィニッシュがふらつく原因まとめ
・フィニッシュが取れない原因は、重心が動くことに対抗できないから
・お尻を背中側に引けば、ダウンで前のめりに突っ込まなくなる
・前傾姿勢〜膝や腰を曲げ、重心を下げることも重要
屁理屈の多いアマチュアゴルファーには「打った後の姿勢なんてボールの行方に関係ないだろ?」なんて言う人も居ます。しかし、フィニッシュが取れずによろけるプロゴルファーなんて、一人も居ません。フィニッシュがふらつくことは、単に下手に見えて格好悪いだけでなく、スイング中のバランスが悪い事を意味しています。バランスが悪いと、ミスが発生しやすい訳ですから、フィニッシュの安定は腕前とも直結しているのです。