ゴルフ72のコツ
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体重移動とスウェーの違い

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ゴルフレッスンで頻繁に出てくるにも関わらず、教える側もその違いを良く理解していない概念の代表に、体重移動とスウェーがあります。

日本のゴルフレッスンでは、積極的に体重移動すべきという理論と、体重移動は意識するなという、二つの派閥にはっきり分かれています。これも、教える側に体重移動を理論的に分かっていないプロやコーチが多いことが原因です。

まず、体重移動の物理的な意味から説明してみましょう。通常のゴルフスイングでは、体重移動は「絶対に起こるもの」であり、しかも「勝手に起きてしまう事」というのが真実です。後述する左一軸スイングのような特殊な例を除き、スイング中に体重移動は嫌でも起きてしまう事なのです。

左の図は、真っ直ぐ棒立ちに立った状態です。この時、上半身と下半身の重心は、背骨〜足を結ぶ直線上に揃っています。ゆえに、この線を軸に体を左右に回転させても、重心は動きません。

ところがゴルフスイングは、右図のように前傾(前屈み)で行うので、上半身の重心は背骨〜足を結ぶ直線から前方にずれています。このまま背骨を軸に回転すると、右に回ったときには右側に、左に回れば左側に、重心がずれることになります。

言い換えると、テイクバックで右へ回転すると、右足の方へ重心がずれる=体重移動が起きる訳です。そしてダウンスイングで右から中央に、インパクトからフォローで中央から左へ重心がズレることにより、右足側にあった体重は左足へと移動するのです。この事実は、二台の体重計に両足別々に乗せ、前傾して身体を回転させる事で簡単に体験できます。

★体重移動の結論=ゴルフスイングは前傾している為に、体を回転させれば体重移動は必ず起きる!

このように体重移動することは、ゴルフスイングにおいて極めて自然な結果なのです。佐久間馨氏や栗林保雄氏など、ゴルフを科学的に分析する人は大抵がこの事実に気付いていますが、日本のレッスンプロの中には体重移動の真実を全く理解していない人も居るので困りますね・・・。

スウェーすると遠心力がほどけて飛ばなくなる

ではスウェーとの違いは何なのでしょうか? ゴルフでは「スウェーするな!」とレッスンされますが、上記のように体重移動は「勝手に起きてしまう」訳です。実は「スウェーするな」と言う教えは「体重移動するな」という意味では無いのです。

スウェーの厳密な意味は、ダウンスイングの途中で過度な重心移動が起きている状態のことを指します。ダウンスイング中に大きく重心移動すると、背骨を中心に回転することで生まれる「遠心力」を阻害することが問題なのです。

スウェーは遠心力を阻害する

ダウンスイング中に大きく体重移動することや、腕を飛球線方向に振る行為は、共に遠心力を邪魔する動きです。そのため遠心力がほどけてパワーロスするだけでなく、シャフトが順しなりしてフェースが開きます。このため、吹け上がるスライス=全然飛ばない球しか打てません。

※関連ページ;ゴルフスイングにおける遠心力の本当の意味

ですから、スイング中に意識的に体重移動を行う事は、フェースが開くスライスを誘発し、飛距離も出ないという問題を生むので、行うべきではないのです。スイングは背骨を中心とする回転の力で飛ばそうとして、体重移動はその過程で勝手に起こる範囲で留めて、自ら積極的に移動させようとはしてはいけません。

体重移動とスウェーの違いまとめ
・ゴルフは前傾している為、スイング中の体重移動は必ず起きる
・しかし積極的に体重移動しようとすると、ダウンスイング中に身体が左へ動いて遠心力を阻害する「スウェー」になりやすい
・スウェーは飛距離が出ない上、フェースが開いてスライスしやすくなる
・よってダウンスイング中は軸を動かさない意識が必要。

体重移動とバンプや左一軸スイング

一部のゴルフレッスンでは、切り返し〜ダウンスイング初期に腰を左(飛球線方向)に動かす「バンプ」と呼ばれる動きを推奨しています。確かに多くのプロゴルファーが、切り返しで腰を左に移動させています(石川遼プロは特に移動距離が大きい)。

但し、このバンプという動きは、あくまで切り返しの瞬間だけ加速を与えるもので、ダウンスイングが始まってクラブヘッドが動き出してからは、腰は止まっている必要があります。クラブヘッドが動き出しているのに腰を左へ動かし続けると、その動きはまさにスウェーそのもので、遠心力がほどけてシャフトが順しなりして、フェースが開いてスライスしか出なくなります。僅か一瞬の遅れで、バンプはスウェーになってしまうのです。

バンプはスウェーとは違いますし、使いこなせればヘッドスピードは上がります。しかし一歩間違うとスウェーになるリスクがあります。正しいレッスンで身に付けるならともかく、アマチュアが見よう見まねでバンプスイングを行うと、スウェーの癖が着いて上達を妨げる恐れがありますので注意が必要です。

一方で、体重移動を無理矢理抑えてしまうスイング方法もあります。スタック&チルトに代表される左一軸スイングがそれです。左一軸スイングは、テイクバック時に体を左足方向へ傾け、重心のズレを強引に強制する理論で、遠心力を最大限に生かせる打ち方です。但し左一軸スイングも、やはり普通とは違うスイングなので、独学で行うとリバースピボットなどの悪癖が着いてしまうリスクがあります。

よって独学でゴルフを上達させたいアマチュアは、まずはナチュラルなゴルフスイングを目指すのが無難です。そして「体重移動は自然に起こるものだ」と理解すると共に、ダウンスイング中に体が左へ流れるスウェーは絶対に御法度だという意識を受け付けていくことが重要です。

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