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阿河徹(あが・とおる)氏は、谷原秀人や藤本佳則ら有名プロゴルファーを教えている、日本のレッスンプロ界の頂点グループに属する一人です。そんな阿河プロは、最新の著書「70台が楽に出る!「圧力系」インパクトの作り方」で、アマチュアゴルファーが目指すスイングの神髄を説いているので、内容の一部を紹介してみます。
同書は、若いアスリート系のゴルファーではなく、一般の中高年ゴルファー向けに書かれた本だ〜とのうたい文句です。プロゴルファーのような柔軟性〜可動域の大きさは、一般の中高年ゴルファーにはそもそも不可能です。しかし日本のレッスン書は、プロゴルファーのメソッドを中心に書かれたものが多く、多くのアマチュアには参考にならないと言います。そこで、あまり練習しないでも再現性が高く、常にスマートなゴルフが出来るような方法論を追求したといいます。
同書の基本部分は、前著「「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく」と共通しています。ゴルフスイングでは、振り幅の9時から4時の間〜つまりインパクトゾーン(ビジネスゾーン)が最重要であり、大半のアマチュアゴルファーはこの部分が未熟だと言っています。
そして阿河プロのいう「圧力計インパクト」とは、コンパクトなトップから「角速度」をフル活用して、インパクトの一点に力を集中させる・・・という内容です。阿河プロは「コンパクトなバックスイングから、タメを作ってパチンと当てるスイング」と表現しており、俗に言うパンチショットと似た概念です。
・角速度(手首のコックとその解放)が最重要!
・そしてインパクトの形はハンドファーストが絶対
・スイングは左サイドが動作起点
ゴルフでヘッドを走らせるためには、手首の使い方(コックとその解放)が非常に重要だと阿河プロは説明し、それを「角速度」と呼んでいます。コックの重要性は、ハンマー打法やオースチン打法など重視する理論もある一方、全く触れないレッスンプロも居ます。しかし当サイト管理人は、手首の使い方にゴルフの神髄が詰まっていると思っており、阿河プロの意見と全面賛同します。コックは極めて重要です!
具体的には、ややフックグリップに握って、ダウンスイング前半では手首の角度をキープして(いわゆるタメを作る動作)、インパクトエリア(9時〜4時スイングの部分)で一気に解放することで、ヘッドを加速させるというものです。阿河プロはパンチショットと同じ原理だといい、コンパクトなスイングでもこの角速度を上手く使えば、飛距離は落ちないと言います。
そしてハンドファーストでロフトが立った状態でインパクトする事が絶対だと言います。さらに、ハンドファーストのインパクトを実現するためには、必ず身体の左サイド(左腕や左肩)が主導でクラブを振る必要があると説いています。
角速度と並んで重要なのが、インパクトの形がハンドファーストになっている事だと説いています。どれだけ角速度を上手く使っても、ハンドレイト(ロフトが寝る状態)では球が吹き上がって飛びません。角速度をフルに使って、ロフトを立てるようにハンドファーストなインパクトこそが、ボールを強く押せる「圧力計インパクト」だという訳です。
そこでポイントになるのが、左サイドを軸に振るという事です。左肩を支点に左手リードで振ると、支点がボールよりも前にあるので、ハンドファーストの形を実現しやすいと説いています。
※阿河プロの9時〜4時理論。5:00あたりから左サイド主体の解説。
実際に、阿河プロやツアープロ達のインパクトを測定器(トラックマン)で計測すると、52度のウェッジでもインパクトロフトは40度前後になっているそうです。プロのアイアンがよく飛ぶ理由は、このようにハンドファーストでロフトが立ってボールに当たっているからです。
中級レベルの男性アマチュアゴルファーなら、ヘッドスピードが40〜45m/sあってドライバーの飛距離は女子プロと大差ない(240ヤード前後)のに、アイアンの飛距離がはるかに劣るという人は結構多いです。その原因の大半は、ハンドファーストが緩い事です。この位のヘッドスピードなら、52度のウェッジでも100ヤード近く飛ぶのが正しいインパクトであり「52度で80ヤードしか飛ばない」なんて人は、まず間違いなくハンドレイト〜すくい打ちになっています。
阿河プロはハンドファーストを実現するために、最初からインパクトの形(グリップが左もも前にある)を作ったアドレスにすべきだと説いています。ツアープロはグリップがボールの真上・身体の中心付近にある「Yの字アドレス」の人も多いですが、アマチュアはハンドファーストのイメージが作りやすい「逆Kの字」でアドレスすべきだと説いています。
阿河徹プロの圧力系インパクト〜内容まとめ
・アマチュアはプロと違い、コンパクトでミスの少ないスイングが理想
・角速度(手首のコックとその解放)をフルに使う事がポイント
・左サイドが動作起点にすれば、ハンドファーストを実現しやすい
同書の後半は、スイングプレーンの理論や、下半身リード、左サイド主体に振るために上半身を左右を分けて動かす・・・等の上級者向けの話になります。また左サイドの動きが良くなれば、右サイドの動きを阻害しないので、スイングの最大出力が上げられる(ヘッドスピードが増やせる)とも言っています。ただし高度な話になるので、ここでは割愛します。初心者の人は、まずは角速度〜手首のコックとその解放と、ハンドファーストのインパクト、この二つをマスターするのに注力するだけでも十分上達すると思います。