森守洋のダウンブロー理論

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森守洋氏は、往年の名選手でありダウンブロー打法の第一人者・陳清波プロの弟子で、その教えを継ぐ第一人者のレッスンプロとして評判です。人気女子プロとして有名な原江里菜さんを指導し、スランプから復活させたことでも名を上げました。

森プロの教えの内容は、腕をしっかり振って打つという事。ボディーターンを考える前に腕をしっかり振って、フェースターンを大きく行い、ボールを掴まえる感覚を身につけるべき、という理論です。ダウンブローも、その動きがあってこそ成立する、という教え方です。

そのためには、腕をボール方向に振り下ろさず、右足前に向けてダウンスイングする事を重要視します。森プロのレッスンで有名な「正拳突き」や「クッションを右足に向けて振り下ろす」などは、ダウンブローの動きを覚えるのに有効なドリルです。

初心者がスライスばかり打つ理由の一つが、ボールを打つ意識が強いため、クラブをボール方向へと振り下ろすからです。しかし、スイング中に身体は回転するので、トップからボールに向かって腕を振り下ろすと、クラブがアウトサイドから降りる「カット打ち」の軌道になります。

ボールの遙か右手前側に振り下ろす感覚の方が、身体の回転と合わさると、丁度良い軌道になるのです。ですから、森プロの言う右足前に振り下ろせという教えや、正拳突きドリルなどは、初心者にはおかしな感じに思えても、正しいゴルフスイングになるのです。

他にも森守洋プロは、頭を動かさないと言う教えは間違いだ、顎の下まで左肩が入るほど捻る必要はない、終始オンプレーンで振る意識は不要だ、などとゴルフレッスンの常識とは正反対の理論を著書で語っています。この辺の考えは、当サイト管理人も完全賛同しています。

頭を動かさないでスイングしようとすると、リバースピボット（いわゆるギッタンバッコン）を招きますし、頭が大きく動くプロゴルファーはたくさんいるからです。

またスイングプレーンを過剰に意識することも、さほど意味はありません。特にテイクバックの軌道がどうであろうと、ダウンスイング後半のインパクトゾーン（クォーターエリア）でオンプレーン＝正しい軌道になっていれば、ボールは正確に飛ばせるからです。

シャフトを寝かせてダウンスイング〜は過剰！

このように、当サイト管理人は森プロの教えに賛成の部分が多いのですが、唯一、絶対に間違っている〜アマチュアは真似すべきではないと思う部分が、過剰なフェースローテーション至上主義な点です。

森プロは、シャフトを立ててシャットに振り下ろすことを否定し、シャフトを寝かせてダウンスイングするようレッスンしています。そしてインパクトゾーンで大きく腕を返し、アームローテーションを最大限に使って打つべきだと主張しています。その方が球が掴まってスライスを矯正できると教えています。

しかし当サイト管理人は、この教えだけは間違いだと言いたいです！シャフトを寝かして、フェースを目一杯開いて振り下ろすなんて、アベレージゴルファーには危険すぎる教えです。アマチュアが真似しても、超プッシュアウトスライスしか出ませんし、それを無くそうと腕を返しまくれば、インパクトでフェースをスクエアに戻すことが困難になります。

当サイトで紹介している桑田泉プロや片山晃氏も、アームローテーションを使って振れと教えていますが、シャフトは寝かせない（ダウンスイングと同時に手をひっくり返す＝シャフトを立てる）とレッスンしているので、実は似て非なるものです。

現代のゴルフクラブは、フェースが大型化して開きやすく（＝スライスしやすく）なっています。アームローテーションは過剰に行わず、シャフトを立ててダウンスイングする方が、練習料の限られるアマチュアゴルファーには絶対に合っていると断言できます。アームローテーションをする方が、スイングプレーンに沿って振り易いですが、森プロのように「右手の平が真上を向くほどシャフトを寝かせ、過剰に腕を回す動き」はアマチュアには適さないです。

もう一点。ダウンブローというと「上から鋭角に振り下ろす」イメージを持つアマチュアは多いですが、それは完全に間違いです。緩やかに円を描くスイープなスイング軌道でないと、ダウンブローの象徴である「ボールの前方の芝が削れる」ターフの取り方は実現できません。ダウンブローに打つ為には、実は払い打ちのような緩やかなスイング軌道が正解なのです。

アマチュアにはもっとマスターしやすい理論がお勧め

森守洋プロの理論のベースになっているベン・ホーガンのスイング理論は、はっきり言って現代のゴルフでは時代遅れです（⇒ベン・ホーガンのモダンゴルフは時代遅れ！？）。クラブの長尺化とヘッドの大型化が進んだ現在では、ホーガンや森プロのようなアームローテーションを過剰に使うスイングは、明らかに向いていません。

無論マスターすればちゃんと打てますが、シャフトを寝かせるほどの強烈なアームローテーションは、猛練習が無いとマスターできない打法であり、時間の限られるアマチュアには向いていません。当サイト管理人は、初心者ゴルファーの人に対しては、必要最小限のアームローテーションで、少ない時間でもマスターできるクォーター理論をお勧めしています。

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