ゴルフ72のコツ
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陳清波のダウンブロー理論(腰のバンプ)

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アイアンショットの基本とされるダウンブロー。この概念を日本に広めたのが、台湾出身のプロゴルファー陳清波(ちんせいは)氏です。パンチショットの名手であり、当サイトでも紹介している森守洋プロの師匠でもある人物です。このページでは、陳プロのダウンブロー打法の基本概念を紹介します。

陳清波プロは1950年代後半、アメリカの名手=ベン・ホーガンのスイングに感銘を受け、彼の打ち方から現在に至るダウンブロー理論の礎を作ったといいます。スクエアグリップでアームローテーションを積極的に使い、腰をバンプさせて打つというベースの内容は、ベン・ホーガンが名著「モダンゴルフ」で教える事と共通する動きです。

陳プロは元々フックグリップでゴルフを覚えたが、日本での修業時代にスクエアグリップに変更したそうです。その際、違和感を減らすために「一日一ミリずつグリップの向きを変えていった」と言います。少しの変更がスイング自体を崩壊させかねないので、時間を掛けて徐々に慣らしていくというプロゴルファーの神髄が詰まったエピソードです。

陳清波プロのダウンブロー理論は、二つの特徴的な動きがポイントです。一つはアームローテーションを行う事、もう一つが腰を左にスライドさせる動き(「バンプ」とも呼ばれる)です。アームローテーションについては森守洋プロのページに書いたので割愛し、もう一方の腰のスライド・バンプについて、詳しく解説していきます。

陳清波プロも、彼が参考にしたベン・ホーガンも、いわゆるボディーターンを強く行ってボールを打つという点では、他の大半のゴルフ理論と同じです。ですが、トップからの切り返しで身体を回すとか、腰を切るなどの意識を持たず、腰を左(ボールを飛ばす方向)へスライドする事で、ダウンスイングの始動を行うという内容です。


画像出典;週刊ゴルフダイジェスト(2016.10.18号)

正確には、陳プロは「ニーアクション(膝の動き)だ」と言っています。フットワークを使って腰を左にスライドさせれば、身体の正面でインパクトできるし、腰は勝手に回るものだ、と説いています。この腰をスライドさせる動きは、連続写真で詳しく分析すると、多くのプロゴルファーに共通して見られます。

プロゴルファーがどこまでバンプの意識を持っているのかは人それぞれで、結果的に腰がスライドしているだけの人も多いです。また左一軸打法の人や、岡本綾子や藤田寛之やイ・ボミのように腰がほとんどバンプしないプロも居ます。

この腰をバンプさせる動きが「体重移動」と表現されたりもしています。そしてインパクトで左足一本に体重が乗っている状態が、俗に「左の壁」と称される現象です。このように、結果から見れば陳清波プロが腰をバンプさせる動きは、一般的なゴルフスイング内で「起きている」事ではあります。

バンプやアームローテーションは習得に時間が掛かる事が問題

しかし、アマチュアゴルファーが腰のバンプを真似すると、過剰な重心移動となって打点が安定せず、ミスショットが連発するケースが多いので、注意が必要です。大半のアマチュアゴルファーは、下半身を使って打てと言われれば、足や腰が過剰に動いてバランスを崩す傾向が強いのです。特に初心者は、下半身ばかりが無駄に動いて、肝心のクラブヘッドが動いておらず、振り遅れのスライス病が治らない・・・となりがちです。

また、陳プロのもう一つの要=過剰なアームローテーション主義も、アマチュアゴルファーは真似しない方が良いと思います。理由は他のページでも散々書きましたが、現代の大型ヘッドのクラブでは、振り遅れのスライスが頻発するからです。

語弊を恐れずに言うと、陳清波プロのダウンブロー打法(≒ベン・ホーガンのモダンゴルフ理論)は、現在では少々時代遅れな理論になりつつあります。長尺&ヘッドの大型化が進んだ現在、フェースローテーションを極力抑えたシャットフェースが世界の主流です。アームローテーションを行えば、フェースローテーションが過剰になって、精度を著しく損うだけです。

バンプに関しても、世界の主流はジョーダン・スピースやイ・ボミのように腰のスライドを極力抑え、身体の回転軸を動かさずに遠心力で振るスイングです。「体重移動が大きい方が飛距離が出るのでは?」と思う人も居るでしょうが、それは認識違いです。遠心力に引っ張られて「結果的に」左に体重移動しているだけで、ダウンスイング中に過剰に体重移動すると、シャフトが順しなりしてむしろ飛距離は大幅に落ちます。

★関連ページ;シャフトの逆しなりを生かす打ち方

実は陳清波プロも、腰のスライドを「体重移動」として使っている訳ではありません。バックスイングで捻った身体を戻すための『きっかけ』として、バンプを使っているだけなのです。このダウンスイングのきっかけの動きは、腰を切るという人も居れば、足を回す(桑田泉プロ)や、左足を踏み込む(安楽拓也プロ)など様々な流派がありますが、身体を自然に回転させるという結論部分は全く同じです。

★バンプはダウンスイングの「きっかけ」であり、体重移動ではない!

但しバンプの動きは、初心者が下手に真似すると過剰な重心移動(スウェー)となり、シャフトが順しなりしてスライスを誘発するので、注意が必要です。

★関連ページ;体重移動とスウェーの違い

陳清波プロやベン・ホーガンの理論は、決して間違いではありません。それで成功しているプロゴルファーも上級アマチュアも沢山居ますし、当サイト管理人も全面否定するつもりはありません。しかし彼らの理論は、習得するのが難しい教えなのです。マスターすれば良い球は打てますが、腕も下半身も過剰に動かすので、身に付くまで時間が掛かりすぎ、また練習をサボればすぐに安定感を欠くことになる打法なのです。

当サイトでは、練習量の限られるアマチュアゴルファーには、体重移動を行おうとせず、アームローテーションも行わないスイングの方が、上達が早いのでお勧めだと思います。陳清波プロのダウンブロー打法を真似するなら、他のレッスン・理論に浮気せず、かつ毎日練習を続ける覚悟が必要です。練習は嫌だがそこそこ上達したい・・・という横着な人は、もっと動きがシンプルな打法に徹底すべきだと思いますよ。

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