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レクシー・トンプソン(Lexi Thompson)は、LPGA(米国女子プロゴルフ)でも常に飛距離ランキングトップを争っている飛ばし屋であり、美人ゴルファーとして人気も高い選手です。非常に個性的なスイングをするプロゴルファーなので、スロー動画と共に分析してみます。
レクシー・トンプソンのスイングの特徴は、ダウンスイングで強引に頭を右に残す動きと、インパクトで飛び上がる事です。デビューしたての頃は「ピンクパンサー」の愛唱で有名なポーラ・クリーマーにそっくりなスイングだと話題になりましたが、近年では知名度も実力も追いついてきました。
インパクトで左足がピンと伸びきる事で「左の壁」を作る事を強く意識していると思われます。これはいわゆるツイスト打法の動きの一つで、身体の回転にブレーキを掛けて、クラブヘッドが身体を追い越していく(ヘッドを走らせる)のに有効な動きです。このツイストに加え、身体が飛球線方向へ突っ込む事を抑制しようという意識が合わさると、その反動で「ピョン」とジャンプするような動きになりやすいのです。
実はレクシーやポーラ・クリーマーに限らず、インパクトでジャンプするプロゴルファーは結構沢山居ます(一番極端なのはバッバ・ワトソンですね)。日本の女子プロでも、レクシーほど極端ではなくとも、木戸愛プロや金田久美子プロ、藤田光里プロなども小さく飛び上がっています。どの人も、ドライバーなど長いクラブほど、ジャンプする傾向が強くなります。
一部では「ベタ足こそ正義!」というスイング理論を主張する人達も居ます。確かに近年活躍している韓国人女子プロは、イ・ボミやパク・インビ、アン・ソンジュやキム・ハヌルなど、多くの選手が左足はおろか右足もインパクトまでほとんど浮かない完全ベタ足打法です。しかし、それとは正反対のジャンプしてインパクトするプロも沢山居るのも事実。少なくともアマチュアレベルでは、ベタ足絶対なんて事は無く、自分に合うスイングをすればよいと思います。
次にレクシー・トンプソンのグリップ(握り方)をアップにした動画です。インターロッキングで、かなりのフック(ストロング)グリップで握っているのが分かります。その分、インパクト後も手を返さず、飛球線方向へ右手の平を押し出していくフォロースルーを取っています。
このリストの使い方も人それぞれで、一概に良い悪いは言えません。フォローで右手の甲が上を向くようリストターンする打ち方もあれば、レッドベターのAスウィングやオースチン打法のように、手を返さず右手の平が上を向くように振り抜く流派もあります(レクシーは後者寄り)。リストの使い方も、下半身の使い方も、絶対の正解なんてものはありません。ベタ足だろうがジャンプしようが、グリップの握り方がどうであれ、要は自分にとって最大にヘッドが走る振り方を追求すればよいのです。
レクシー・トンプソンのスイングは、プロゴルファーの中でも相当に個性的であり、アマチュアがそのまま真似すべきスイングとは言えないでしょう。しかし上のスロー動画で、インパクト直前にシャフトが「く」の字を描くように、強烈な逆しなりしているのが分かるでしょう。強烈な遠心力が生まれている証拠です。常識的にはヘンテコに見えるこの振り方こそが、レクシーにとっては最速のヘッドスピードで振り抜く方法だったのでしょう。ツアーで270ヤード超という平均飛距離が、それを証明しています。
アマチュアゴルファーの皆さんも、プロゴルファーの「形」だけを真似しても無意味です。綺麗なスイングでも「飛ばない」「曲がりまくる」では本末転倒です。上達したければあまり形にはこだわらず、自分にとって最も『ヘッドが走る』身体の動きを追求していくべきです。