HOME > 有名レッスンプロの内容と評判 > 高松志門のゆるゆるグリップ理論
高松志門プロは、ゴルフダイジェスト紙面やゴルフレッスンコミックなどで、着飾らないストレートな物言いで人気なプロゴルファーです。理屈よりも感性を優先させるレッスンは、人によって好き嫌いの評判は別れますが、志門プロの理論はシンプルで初心者でも理解しやすいので、その内容を紹介してみます。
高松志門プロといえば、柔らかくグリップを握る「ゆるゆるグリップ理論」が有名です。初心者ゴルファーはとにかくスイング中に力を入れがちで、グリップを力一杯握るという間違いを起こしやすいです。
※ゴルフ雑誌=アルバの企画で、世界のプロゴルファー達にグリップのアンケートを採ると、『力のMAX=100』だとしたら、男女とも30〜50位の強さで握るという人が圧倒的多数でした。
グリップする手に力が入っていると、手元が固まって柔らかく使えないので、シャフトのテコの原理が使えません。俗に言う「ヘッドが走る」という状態は、多くの人がシャフトがムチのようにしなるイメージを持つはずですが、あの状況を作るには、グリップを握る手の平に「遊び」があることが絶対条件です。
感性重視の高松志門プロの教えの中でも、グリップを緩く握る事は、物理的にも理に適っています(⇒「グリップは緩く」の正しい意味〜インパクトでは強く握る!)。
もう一つ、高松志門プロの理論で重要なのがスイングの「トップ」を一定にすることです。トップが決まればナイスショットが打てる、逆にトップが一定しないといつまで経ってもスコアが安定しない、と志門プロは断言します。
スイングのトップについては、意識すべき派のレッスンと、考えなくて良いという教えと、両方の派閥があって評価が分かれます。例えば当サイトでも紹介している佐久間馨氏のSメソッドでは、トップは極めて重要だと教えられ、弟子にボールを打たずにひたすら同じトップを作るシャドースイングのドリルを繰り返させているほどです。
一方でドラコン王=安楽拓也プロは「自分のトップがどの辺に上がっているのか分かっていない」と発言しています。トップは意識しなくとも、いつも同じアドレスで、同じテイクバックを行っていれば、自然とトップの位置は同じになってくる、と説きます。
一見すると両者は相反するようですが、安楽プロもトップの位置を軽視している訳では無く、スイングのルーティーンを固めれば自然とトップも安定する、と言っているだけです。
つまり、取り組むスタンスが異なっているだけで、ゴルフスイングでトップの位置を安定させる事が重要なのは、どんなレッスンでも共通する内容です。
当サイト管理人もトップを安定させる事は、ショットの精度を上げる上で不可欠だと思っていますし、高松志門プロのように一定に保つ意識を強く持つ事には賛成です。いつも同じ位置にクラブヘッドが上がっていれば、ダウンスイングの軌道はずれにくいです。逆にトップの一がバラバラだと、ダウンスイングの力の入れ方が間違っていたのか、それともそもそも(トップがいつもと違う事で)軌道がおかしいのか、原因が分かりません。
そして高松志門プロのレッスンは「ゆるくグリップを握る」「トップを安定させる」という2点に集約されます。志門プロは『ワシのレッスンはこの二つだけや!』と自虐ネタにもしています。それ以外の事は、練習していれば勝手に身につくものだと、バッサリ切っています。
例えば、巷のゴルフレッスンで必ず重視される「スイング軸」についても、志門プロ完全否定しています。目一杯クラブを振り切る事が重要で、その結果として良いショットが出た時に『軸のようなもの』を感じるだけなのだ、と教えています。とにかく小手先で振ろうとせず、身体を目一杯使ってクラブを振りまくっていれば、自然と回転軸は出来てくるのだと言うのです。
実際に高松志門プロのスイング動画を見ると、トップの位置こそ極めて安定しています(シャフトとスイングプレーンが完全に一致している)が、スイング中に頭がビックリする位に大きく左右にぶれますし、左肘もトップまでに曲がり、インパクト後は肘が引けています。お世辞にも綺麗なスイングとは言えませんが、様々な曲芸打ちをこなしているので、スイング自体は極めて安定している訳です。「軸とか頭の位置とかどうでもいい」と言うのも、実際にご本人が体現している訳です。
高松志門のゆるゆるグリップ理論の内容と評判まとめ
・グリップはとにかくゆるく、柔らかく握る
・トップの位置を安定させる事を意識する
・その他の細かい事はどうでもいい(笑)。感性を鍛えるべし!
このような感覚重視な、長嶋茂雄的なレッスン内容には賛否両論があるでしょう。確かに人間は機械ではないので、頭で考えるより感性で理解する・体で覚える方が有効だという、天才肌のタイプの人も居るので、評判が真っ二つに別れるのも当然でしょう。
当サイト管理人は、理論的・物理的に説明できない打法は個人的に好きではないので、普段は他人に推奨することはあまり無いです。ですが、グリップを緩く握る事とトップの重要性は、論理的にも正しいですから、「この二つだけ」を売りにする高松志門プロのレッスンは、個人的には結構好きだったりします。上記の動画を見て感性が合う人は、志門プロのレッスンを学んでみても良いと思います。