ゴルフ72のコツ
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日本のゴルフ業界の市場規模推移

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近年、ゴルフ業界は市場が縮小しており、衰退産業だと言われます。では実際に、ゴルフの世界での金回りはどの程度悪化しているのでしょうか?レジャー白書の数値を元に、ゴルフ業界の市場規模を集計し、グラフ化してみました。

日本のゴルフ業界の市場規模推移グラフ

グラフデータは「レジャー白書2016」を元に当サイトが集計したもの。

1993年から2015年の20年強のあいだに、ゴルフ業界の市場規模(売上高)は約半分に縮小している事が分かります。ゴルフ場の売上だけでなく、用具市場(クラブ・ウェア・シューズなど)も打ちっ放し練習場の売上も、大幅に減少しています。巷で語られるように、ゴルフ業界が右肩下がりな事は、データからも明白な事がわかります。

ゴルフ業界が衰退している理由は、まず参加人数の減少が大きい事が挙げられます。1991年には1350万人とされたゴルフ人口は、2015年には760万人と約44%の大幅に減少しています。これはゴルフ業界が悪いというより、日本全体で少子高齢化が進んでいる、マクロ経済的要因が根底にあります。この事は、レジャー白書の「スポーツ参加人口の推移」で、全てのスポーツが過去10年間で減少傾向にあることからも明白です。

日本の主要スポーツの参加人口(万人)
  ゴルフ 釣り スキー ボウリング 野球 サッカー
2006年 890  1290 610 2510  1200 680
2015年 760 750 480 1190 660 480

バブルであった90年代の数値を追い求めるのはナンセンス

一方で、そもそも市場規模が3兆円近くもあった90年代前半が異常だったとも考察できます。日本全体のマネーの動き、例えば日経平均株価や公示地価なども、現在の値はバブル期の半分やそれ以下の水準に過ぎません。90年代前半はゴルフ業界もバブルだっただけで、現状の数値が身の丈にあった規模だとも解釈できます。

バブル期と現在の価格比較
  ゴルフ市場規模 日経平均株価 公示地価全国平均
バブル期 2.74兆円
(1993年)
38915円
(1989年末)
585289円/u
(1991年)
2017年現在 1.35兆円 約2万円 158952円/u
比率 約50%減 約50%減 約73%減

2014年には、PGA(日本プロゴルフ協会)とゴルフ場経営者協会・練習場連盟などが共同で「10年後のゴルフ業界市場規模を2兆円にする」という目標が出されました。現在の1.5倍にマーケットを拡大するというこの目標は、業界団体の単なる願望であり、現実的には不可能に近いナンセンスな数値だと思います。

若者や女性をゴルフの新規参加者として迎え入れるには、様々なハードルがありますが、中でも最大の問題がお金です。クラブの値段やプレー料金を値下げすれば、新規参加者が増えるかもしれませんが、既存ユーザーの客単価も落ちてしまうという、トレードオフ(二律背反)の関係にあるのです。「客が来ないから値下げする」だけの対策では、単価が落ちて業界としては負の連鎖に陥る、外食産業などと同じ道を辿ります。1300万人以上居たというバブル期には、その原動力は節約思考とは無縁の企業の接待ゴルフだったのです。所詮は「富裕層の遊び」であるゴルフを一般にまで広めるのは、そもそも無理な話なのです。

確かに、業界団体が「縮小均衡」なんて目標を言う事は御法度なのかもしれません。しかし人口減少という日本のマクロ経済の現状や、そもそも90年代の市場規模がバブルだった事を考慮すれば、売上の減少はやむを得ない事だと言えます。

衰退が必至である事の現実を受け入れ、その中で業界として生き残り策を考える・・・ゴルフだけに限らず、日本のあらゆる業界が現実的な対策を考えるべき時代だと思います。当サイトでも後日、ゴルフ業界が生き残るための現実策を提言してみる予定です。

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