HOME > ゴルフに関するデータと用語集 > アマチュアの平均パーオン率
ゴルフで「規定打数から2を引いた数」でグリーンに乗る事をパーオンと言います。ミドルホール(PER4)なら2打、ロングホールなら3打で乗る事がパーオンです。
多くのアマチュアゴルファーは『パーオンを目指す事が先決』と思い込んでおり、スコアを良くするためにはパーオン率を上げる事が重要だと錯覚しがちです。しかしパーオンを目指す事が、スコアアップに有効な戦略とは限りませんし、特に100を切れないアベレージゴルファーの人は、パーオンなんてほとんど出来ないのが通常です。
アメリカでアマチュアゴルファーの10万以上のショットを解析した書籍「ゴルフ データ革命(マーク・ブローディー著)」によると、平均スコア100のプレーヤーのパーオン回数は18ホール中1.9回だったそうです。以下、同書によるアマチュアゴルファーのパーオン率です。
アマチュアの18Hの平均パーオン数 | ||
平均スコア | パーオン数 | ボギーオン数 |
75 | 8.9回 | 17.0回 |
85 | 5.3回 | 13.8回 |
90 | 3.9回 | 12.3回 |
95 | 2.8回 | 10.8回 |
100 | 1.9回 | 9.5回 |
110 | 0.8回 | 6.8回 |
★関連ページ;アマチュアゴルファーの平均飛距離 アマチュアゴルファーの平均スコア
同書によると、平均スコア90〜つまりボギーペースで回れるゴルファーでも、一ラウンド中のパーオンは3.9回に過ぎません。コンスタントに100を切れるゴルファーでも、パーオン率は20%程度な訳です。一方でボギーオン(パーオンより1打多い数でグリーンに乗せる)は13.8回ですから、ボギーオン率は77%あります。
平均100のプレーヤーは、パーオンは2回未満、ボギーオン率ですら5割をやっと超えた程度です。実は、アマチュアゴルファーがスコアを縮めるためには、このボギーオン率を高める事が重要なのです。
何故なら、平均スコア75のプレーヤー、つまり「片手シングル」に相当する上級者でも平均8.9回ですから、パーオン率は50%に満たないのです。一方でボギーオン率は94.4%(17/18)に達します。つまり、上級者でもパーオンし続ける事は困難だが、ボギーオンすらしない『大叩き』はほとんどしない訳です。
当サイトでは、100切りのアドバイスとして『大叩きを無くせ!』という事を最も強くアドバイスしています(⇒ゴルフ100切りでやってはいけない4つのこと)。そのためには、パーオンは基本的に狙わず、ボギーオン率を高めるようなコースマネジメントを推奨します。
パーオン率を上げようとしても、上級者でも5割に行かないのですから、無駄な努力です。パーオンを狙おうと、残り距離が長いのに無理してフェアウェイウッドを振り回し、スコアを崩壊させるのは、低級アマチュアで最も多いパターンです。最初からボギーオン狙いなら、長いクラブで無謀なショットを打つ必要はありません。400ヤードを越える長いミドルホールでも、3打で乗せるのであれば、二打目は短いアイアンで打ちやすい場所に運ぶだけでも十分です。
★アマチュアゴルファーはボギーオン率こそが重要!
実際、当サイト管理人も80台を出せる頃になっても、常にボギーオン狙いのゴルフを続けていました。「爺さんみたいなゴルフやなぁ」と煽られたりもしましたが、ゴルフは上がってナンボ、最終スコアが良ければ黙らせられます。今でも100を切れない人には、必ずボギーオン狙いのコースマネジメントを指導します。
ちなみにプロゴルファーも、パーオン率はせいぜい70%が限界です。国内ツアーの男女過去5年間のデータを見ると、パーオン率トップの選手は70%前後に過ぎません。あれだけ圧倒的に強かった2015年と16年のイ・ボミですら70%台前半で、男女とも75%を越えた人は居ませんでした。トッププロでもこの程度なのです。
「プロのトーナメントコースは長いしセッティングも難しいからでは?」と反論するかも知れませんね。確かにプロの回るコースは、我々アマチュアゴルファーの回るパブリックコースとでは、難易度が全く違います。しかし問題はそこではないのです。注目すべきなのは、プロゴルファーはパーオン率が70%程度でも60台のスコアで回れているという事実です。3回に1回はパーオンを逃しているのに、アンダーパーのスコアは出せるのだという事です。
プロのトーナメント中継を見ると、大抵がバーディーチャンスに付けているように錯覚しますが、決してそういう訳でもなく、プロゴルファーもしょっちゅうミスショットしています。テレビ中継ではダイジェスト=視聴率が取れる映像が必要なので、基本的に良いショットばかりと、時々珍しいミスショットしか写らないので、平凡なミスはしていないかのように、バイアスが掛かって見えるのです。
少しアイアンの当たりが薄くてショートするとか、グリーンを左右に外すとかは、プロでも全然珍しいことでは無いのです。ネットのゴルフ中継では、ダイジェストだけでなくAbemaTVのようにひたすら延々と中継している番組もあるので、プロがよく「平凡なミスショット」をしている事が実感できます。
要するに、パーオン率に拘ってもあまり意味がなく、ミスの被害を最小限に食い止めるリカバリー能力の方が、スコアアップに有効だと言う事です。確かにベストスコアをマークするプロなどは、バーディーラッシュを奪っているためにパーオン率も高いですが、アマチュアの技量で真似できる世界ではありません。
当サイトで何度も言っているように、18ホール全部ボギーで回ればスコアは「90」ですし、ボギーとダボが半々でも「99」なので100切り出来るので、パーオンなんて目指す必要は無いのです。アマはパーオン率ではなく、大叩きしないための「ボギーオン率」にこだわるべきです。