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ゴルフ会員権といえば、1980年代のバブル期に富裕層の投機対象となり価格が高騰しましたが、今では見る影もなく暴落しています。ゴルフ会員権の平均額は、1990年の3600万円がピークでしたが、3年後には900万円まで暴落し、2016年現在では100万円前後だそうです(桜ゴルフ調査)。日経平均株価のピークが1989年末、公示地価のピークが1991年ですから、ゴルフ会員権の相場もバブルそのものだったということですね。
しかし一部には、未だに一般庶民には理解不能なほどの値が付いている会員権もあります。ここでは、日本全国でゴルフ会員権が高額なコースランキングのトップ10を紹介してみます。会員権の価格は、2016年1月時点のものです。
会員権が高額なゴルフコースランキング | |||
順位 | コース名 | 都道府県 | 会員権の価格 |
1 | 小金井カントリー倶楽部 | 東京都 | 5450万円 |
2 | よみうりゴルフ倶楽部 | 東京都 | 3900万円 |
3 | 旧軽井沢ゴルフクラブ | 長野県 | 3200万円 |
4 | 戸塚カントリー倶楽部 | 神奈川県 | 2700万円 |
5 | 名古屋ゴルフ倶楽部和合コース | 愛知県 | 2050万円 |
6 | 磯子(いそご)カンツリークラブ | 神奈川県 | 2020万円 |
7 | 鷹之台カンツリー倶楽部 | 千葉県 | 2000万円 |
8 | カメリアヒルズカントリークラブ | 千葉県 | 1850万円 |
9 | 相模原ゴルフクラブ | 神奈川県 | 1800万円 |
9 | 東京よみうりカントリークラブ | 東京 | 1800万円 |
※ランキング出典;不動産の価格が分かる本(日経BP社)。価格は名義変更料や預託金も含む。
日本で最も高額なゴルフ会員権は、東京の小金井カントリー倶楽部で5450万円です。小金井カントリーの会員権は、バブル期には5億円にものぼりましたが、その後暴落して2016年には10分の1ほどの価格に落ち着いています。とはいえ小金井カントリーは、バブル崩壊後も「日本最高額のゴルフ会員権」の座を守り続けています。
ですが、このランキングトップ10に入っているゴルフ場が、プレーヤーに評価が高いコースかと言われれば、かなり疑問が残ります。例えば「ダイヤモンドQ(2015年5月号)」の特集にあった『日本のベストゴルフ場100』のトップ10には、上記のゴルフ場は一つも入っていません。
また「週間ゴルフダイジェスト(2016年7/26号)」の特集『プロゴルファーが選んだナンバーワンコースはここだ!』にも、上記ランキングのゴルフ場は全く名前が上がっていません。唯一、磯子カンツリークラブが「食事が美味しい部門」で、工藤遥加プロらが票を入れて4位にランクインしているだけでした。
つまり、高額な会員権のゴルフ場というのは、貴族のお高い社交場よろしく、名声ばかりが先行して中身は「?」が付くコースが多いと言えそうです。
そもそもこれらの名門コースは、既存の会員2人以上の紹介が必要とか、入会には面接がある、等と条件が厳しく、ガラの悪い成金オヤジがお金を積んでも会員に入れないようなコースが多いです。あの田中角栄が(総理大臣になる前だったとはいえ)小金井カントリー倶楽部の入会審査で一度落とされている(!)というエピソードもあるくらいです。
会員に名を連ねるのは、政治家や上場企業の役員とか名家の御曹司といった上流階級の人間ばかりなようで、このような敷居の高さが会員権価格の源泉な訳ですね。なお小金井カントリー倶楽部の会員権価格のうち、1500万円は「名義変更料」だそうです。この辺りにも、名門倶楽部の敷居の高さが現れていますね。
世界で最もお高くまとまった会員権のゴルフ場といえば、4大トーナメントの一つ=マスターズ開催地として有名な、アメリカの「オーガスタナショナルゴルフクラブ」です。オーガスタの会員権は完全クローズドで、会員も300人程度居ると言われていますが、詳細は不明であるという完全なプライベート倶楽部です。
従って会員権の価格は不明ですが、オーガスタナショナルの維持費は全て会員(パトロン)が賄っており、マスターズ開催での収益との差額が、年間の会員コストだということです。
会員権を得るには既存会員の了承が必要で、相当なステータスとなっています。世界一の大富豪=ビル・ゲイツも、会員になるのに何年も了承を待たされたという事ですから、いくら金を積んでもそれだけで買えるものではないようです。
一方で、オーガスタナショナルと並び『世界で最も有名なゴルフ場』であるセントアンドリュース(オールドコース)は、市営のパブリックコースなので会員権は存在しないそうです。従って一見客でも、予約すればプレーは可能です。オーガスタとは好対照な存在ですね。
但しセントアンドリュースは世界的な人気コース故、プレーフィーは季候の良い4〜10月だと平日でも約3万円、予約は2年待ちと言われています。イギリスのEU離脱で英ポンドが暴落したので、日本円ベースでの価格は安くなってきた事が、せめてもの救いでしょうか。