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ゴルフ場には18ホールで平均4つのロングホール(パー5)があります。では日本一長いパー5が何ヤードだと思いますか?正解は茨城県にあるザ・ロイヤルゴルフクラブの16番ホール=705ヤード(PER5)です!6種類あるティーグラウンドで最も後ろのトーナメントティが該当します。
このザ・ロイヤルゴルフクラブは、2018年に男子のプロツアー「ミズノオープン」が行われています。向かい風が吹いた2日目には、平均スコアが「5.76」という、およそプロゴルフツアーのロングホールとは思えない数値をたたき出しました(143選手中バーディはゼロ!)。しかもこの16番ホール、グリーンの奥行きが40ヤード以上もあるうえ傾斜も非常にきつく、ミズノオープンではグリーン上からウェッジを使って寄せるプロまで居たという始末です。
※日本一長い705ヤード・パー5をプレーする原英莉花プロ
上記の動画のように、日本女子ツアーでトップクラスの飛ばし屋である原英莉花プロでも、3オンはできませんでした。705ヤードというのは、単純計算で一打平均235ヤードが必要ですから、女子プロやアマチュアゴルファーではパーオンは物理的にほぼ不可能です。
無論、アマチュアが普段プレーする際はもっと前のティーグラウンドを使用しますが、白ティーでも600ヤード前後、レディースティも495ヤードあって「長すぎる!」と評判です。
★ザ・ロイヤル ゴルフクラブ=公式サイトの16番ホール俯瞰図
このザ・ロイヤルゴルフクラブのコンセプトは「世界基準のアスリートコース」だそうで、他のホールも全て距離が長いです。次の17番ホールはパー3なのに271ヤードもあるなど、トーナメントティでは全長8143ヤードもあり、コースの総距離も日本最長です。
このように明確なコンセプトとミズノオープンでの露出のおかげか、ザ・ロイヤルゴルフクラブの評判は高まっています。そのため、楽天GORAやGDOなどで申し込んでプレーすることは出来ない、少々敷居の高いコースと化しているのは残念です。とはいえ、オーガスタナショナルGCや霞ヶ関カントリーのように、一般庶民が絶対にプレー不可能なコースという訳でもなく、プロアマトーナメントやイベントなどで「それなりのお金を積めば」プレーできるチャンスは無くはなさそうです。
ちなみに、この「日本最長のコース」という称号は、当稿執筆時(2018年)における話です。ゴルフコースは、クラブやボールの進化に伴い年々長くなっており、数年後にはもっと長いホールが誕生している可能性は十分あります。
長距離化を裏付けるデータとして、2000年頃には米ツアーで平均飛距離が300ヤードを超えるのは、ジョン・デイリーとタイガーウッズの2人しか居ませんでした。ところが2018年現在では、50人以上の選手が平均300ヤード以上を飛ばしており、飛距離ランキングトップを争う選手達は320ヤードに迫る勢いです。
プロゴルファーのアスリート化により、そのままのコースでは簡単すぎることになります。世界中でプロ使用のティーグラウンドはどんどん長くなっており、今では250ヤードを超えるパー3や、500ヤードを超えるパー4も珍しくありません。
※661ヤード=パー5を2オンするババ・ワトソン(PGA公式動画)
それでも選手の進化にコース側が追いつかなくなってきています。ゴルフ場には敷地の制限があるため、距離延長には限界があるのです。そのため近年では、プロゴルファーの使用するボールに反発制限を加え、飛距離を抑えるべきだという専門家の意見も増えています。アマチュアの使えるボールはそのままで、プロだけが飛距離を抑えようという訳です。
アマとプロの仕様が異なる例として、野球の世界ではではプロの使う「硬球」と、草野球や少年野球で使われる軟球と、明確にボールが分けられています。コストを掛けずに、世界中のゴルフ場やアマチュアゴルファーと整合性を付けるためには、プロゴルファーのボールを飛ばなくする事が、最も合理的な方法だという評判が多いです。
しかし一気に飛距離を制限すると、ザ・ロイヤルゴルフクラブのような超ロングホールはプロでも歯が立たなくなり、お役御免となるでしょう。そうすれば、折角生まれた「超長いホール」というゴルフ文化が消えることになり、少し寂しい気もしますね・・・。