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2017年の日本のプロツアーの賞金王は宮里優作プロ(宮里藍の兄)で1億8千万円、賞金女王は鈴木愛プロの1億4千万円でした。ではプロゴルファーの平均年収を算出すると、一体いくら位になるのでしょうか?リサーチしてみました。
2017年の賞金ランキングトップ100に入った選手の平均獲得賞金は、男子が3247万円、女子は3221万円でした。またトッププロの場合、クラブメーカーなどと巨額の契約金も結んでいる事が多いですから、実際の年収はさらに多いと予想されます。石川遼=キャロウェイや、イ・ボミ=ホンマゴルフなど、人気プロになると年間数億円の契約金は確実だと言われます。同年のプロ野球の平均年俸が3826万円(外国人のぞく全支配下登録選手)、サッカーJリーグが2千万円程度だそうですから、一見するとプロゴルファーの稼ぎは中々大きいように思えます。
しかし、億単位の賞金を稼ぐトップ選手が平均値を釣り上げているので、一概に実入りの良いプロスポーツだとも言えません。例えば、ランキングが丁度100位の選手の獲得賞金は、男子が544万円、女子が369万円でした。奇しくも男女とも、一般サラリーマンと同程度の金額となりますね。ただし、ゴルフの試合は全国各地を飛び回り、移動や宿泊に相当な費用が掛かります(もちろん自費です)。よってこのクラスの選手だと、ツアーを戦うだけでは中々喰っていけない事が分かります。
そしてこの下は一気に賞金が減っていき、男子で190位、女子で135位の選手から、賞金が100万円を割り込みます。またこのクラスの選手だと、メーカーとの契約金などもほぼ無い(クラブの提供どまり)と言われているので、賞金以外の収入もほぼありません。よって、レッスンプロを兼業するか、ゴルフ場や練習場のスタッフなどアルバイトをしないと、生活は出来ないです。
しかしレッスンプロの現状はさらに厳しいものがあります。日本には「プロゴルファー」の肩書きを持つ人が、男女合わせて約8千人ほど居るようですが、ツアーに参戦している(できる)プロは数百人なので、大半の人がいわゆるレッスンプロです。
そして「ゴルフが消える日」の著者・赤坂厚氏の推計によると、日本のティーチングプロの平均年収は190万円弱で大卒サラリーマンの初任給にも満たない金額という、衝撃のデータを算出しています。
※ゴルフレッスンの市場規模は約150億円、一方で全国でティーチングプロが約8千人居るので、単純に割ると一人あたり200万円に満たない金額だ・・・という推計です。
当サイトで紹介している、桑田泉氏や中井学氏などのように、有名になればレッスンプロでも年収数千万円を稼ぐ人も居ますが、人気を得られる人はごく一部です。打ちっ放し練習場の片隅で教えている「しがないレッスンプロ」は、実家が資産家だとか、他の家族が働いているとか、何かしらの支えがない限り、それだけで喰っていくことは困難なのが現実です。
2017年には、ゴルフスタジアムという会社がレッスンプロに対して詐欺を働いたという事件がニュースになりました。被害者のレッスンプロは1000人以上に及ぶと報じられましたが、ほとんどが食うや食わざるやの人達だったので、藁をもつかむ思いで商材購入に走ったのでしょう。
日本の賞金ランキングトップになれば、年収2億円クラスですが、海外に行けばスケールは跳ね上がります。米国PGAツアーの賞金王は、ここ数年の平均で1千万ドル(約10億円)程度で推移しており、ランキング100位の選手でも100万ドル(1億円)を超えています!
しかも世界のトッププロは、クラブメーカーやウェアなどの契約金がそれ以上に巨額です。2017年のスポーツ選手長者番付で6位(ゴルフ界でトップ)だったローリー・マキロイは、年収5千万ドル(50億円)だと言うことです。トップ20以内に入れるクラスの選手だと、契約金を含めた年収は1千万ドルを遙かに超えると言われていますので、日本のトッププロと比べると、桁一つ以上も多い金額ですね。
さらに凄いのがタイガーウッズ。ご存知のようにタイガーはここ数年、年齢による衰えや、怪我、不倫による私生活破綻などで成績も散々、ツアーも半休業中状態でしたが、2017年も3700万ドル(37億円)もの年収があったようです。ナイキと長期契約を結んでいたようで、全く活躍しなくても大金を得ていた訳です。
プロゴルファーの平均年収まとめ
・日本で賞金ランキングトップ100の選手の平均獲得賞金は約3200万円
・レッスンプロは平均年収190万円と全く喰えない職業!
・世界のトッププロ(タイガーウッズなど)の年収は約50億円!
プロゴルファーという職業は、ミュージシャンや芸術家などと同じで、一部の勝者は大富豪ですが、大半の人は単に「プロ」と名乗れているだけで、バイトしたり他の家族の収入がないと喰っていけないような「貧困層」なのです。何だか夢を壊すような話になりましたが、これが現実であり、プロゴルファーを目指すならその覚悟が必要だという事です。