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スティンプメーターとは、グリーン上でボールが転がる速さを数値化した指標のことです。ゴルフボールをスティンプメーターというレールのような機器から滑り台のように転がし、どれだけの距離を転がったのかで表します。数値が大きいほど、ボールが良く転がったという事ですから、それだけグリーンが早い訳です。
※単位はフィートで、1フィート=30.48cm、また3フィートで1ヤードです。
下記はスティンプメーターの使い方を紹介している動画です。英語ですが、とても原始的で簡単な作業なので、意味は分かりますよね?
日本のパブリックゴルフ場では、スティンプメーター=8〜9フィートくらいが平均です。プロゴルファーの試合だと11〜12フィート程度まで早くなり、中でも4大大会の一つ=マスターズの開催コースであり「鏡のグリーン」と表されるオーガスタナショナルGCは、大会期間中は14フィート以上もの速さになるそうです。我々アマチュアゴルファーが普段プレーしているグリーンの2倍近く転がる計算です!
ゴルフのパッティングは、グリーンが早いほど難しくなります。早いグリーンほど傾斜の影響が大きくなるため、左右の曲がり幅も大きくなります。アマチュアがスティンプメーター10フィート以上のグリーンでプレーすれば、3パット以上を連発して時間が掛かりコースが大渋滞するので、一般的なパブリックコースのグリーンが遅い仕上げにされる理由です。
スティンプメーターの数値は、ゴルフ場によっては公表している場合もあります。例えばアコーディアグループのゴルフ場では、クラブハウスでその日のグリーンの目安として、芝の長さと共にスティンプメーターの数値も表記しているコースが多いです。
但しこれは早朝時点での数値であり、時間の経過と共にスティンプメーターの数値は意味が薄れていきます。例えば、夏場は芝が伸びるのが早いので、午後になるとグリーンが遅くなりがちです。また朝は水気を含んでいたのに、午後には日差しで乾いて早くなっていくケースもあります。逆にプレー中に雨が降り出したりだとか、あるいは日が暮れて霜が降りたりすれば、芝生に水が含まれてグリーンは遅くなっていきます。
グリーンの速さが、スティンプメーターの数値で相対的に表せることは、上記で説明した通りです。ではグリーン上でボールが転がりやすさを決める要素は何でしょうか?
一つは芝の長さで、芝生が短く刈られているほどボールは転がりやすくなります。グリーンの芝は3.5〜4ミリ程度が平均的な長さです。但し、短く芝を刈るほどグリーンの管理が大変になるので、安価なパブリックコースで短く刈られるケースが少ない理由です。
もう一つはグリーンの固さ。水分を多く含んでいると、下の土が軟らかくクッション性が大きくなるので、ボールは転がりにくくなります。グリーンの固さを表す「コンパクション」という指標もあります。柔らかいグリーンほどピッチマーク(ボールのバウンド跡)が付きやすいです。
またグリーンに砂が蒔かれている状態で、プレーしたことがある人も居るかと思います。砂が蒔かれたグリーンは速くなると同時に、パットすると若干でこぼこな軌道で転がり、また見た目も綺麗なグリーンにほど遠いので、プレーヤーからは不評です。しかし、客から文句を言われても砂を蒔く理由があるのです。
ゴルフ場のグリーンは、定期的に土に空気を入れてやるエアレーションという作業を行う必要があります。農業のコンバインのような機械で、グリーンに細かな穴を空けて新鮮な空気を入れ、芝の育成を即すというものです。このエアレーションで出来た穴を防ぐ目土のような目的で、グリーンに砂を蒔くのです。エアレーション時の砂は、芝の成長と共に土に馴染み、概ね一週間〜10日ほどで普通のグリーンと変わらぬ状態に戻ります。
エアレーションで砂を蒔かれるのは、名門コースでも安価なパブリックコースでも同じです。エアレーションは春先と秋頃に行われます(真夏や冬場は基本的に行わない)ので、この時期にプレーする際は要注意です。砂が蒔かれたグリーンが嫌な人は、プレー日がエアレーション作業の日程と被っていないか、予約の前にゴルフ場に尋ねてみると良いでしょう。